計算高き堕天使
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、逆に考えればいいのよ」
「逆?」
顔を見合わせるスティングたち。何を言っているのかわかっていない彼らを見たヨザイネはニヤリと笑みを浮かべた。
「時の狭間を全開まで開くのよ。あえてね」
「「「「「!?」」」」」
ヨザイネの思わぬ発言に目を見開く。それだけ彼女の言っていることは危険だったからだ。
「バカな!?そんなことしたらどうなると思ってるんだ!?」
「そうよ!!時の狭間を開いたらティオスが強化されてしまうわ!!」
敵の力の源になっているものを逆に開いてみせるというヨザイネの案は、味方ならばよかったのかもしれない。ただ、敵からすればそれはさらなる絶望へと自らが向かおうとしている自殺行為に他ならない。
「えぇ。私の予想でも、ティオスがさらなる力を手にいれると思うわ」
「だったらなおさら・・・」
不安を口にしていく魔導士たちに対し、彼女はなぜか笑みを浮かべている。この馬鹿げた提案をして、なぜこれほどの表情を浮かべていられるのか、彼らには疑問でしかない。
「ではここで問題です!!ダダン!!」
突然の効果音にもはや何が起きているのかわからずキョトンとしているグラシアンたち。その姿が目に入っているはずなのに、ヨザイネは気にする素振りを見せることなく話を続ける。
「ティオスが支配している時の狭間を開くと、なんで彼が強化されるのでしょうか!?」
「「「「「??」」」」」
彼女のクイズに再び顔を見合わせる魔導士たち。彼女のその問いは、あまりにも分かりきっていたからか、逆に彼らは冷静さを取り戻していた。
「そりゃあ、時の狭間の魔力がより多くティオスに流れ込んで・・・」
「それによって奴の魔力が・・・」
「いや・・・待て」
そこまで言うと、青年があることに気が付いた。その違和感に気が付いたのは幻影のドラゴン。
「そもそもあいつは時の狭間を掌握してるんだから、それを解放しようがどうしようが、好きにできるんじゃないか?」
青年の素朴な疑問は的を射ていた。ティオスはそれを元々支配しており、現に使いこなしている。それならば時の狭間の解放度など決して意味はないはずだ。
「じゃあティオスは強くならないってこと?」
「いや・・・でも強くなるってあの娘が・・・」
情報量が多すぎてよく分からなくなってきている面々に対し、ヨザイネはようやく見えてきた時の狭間を視認しながら、自身の考えを述べる。
「時の狭間を解放すればティオスは強くなるわ。でもそれは、彼の中にあるあるものが原因なのよ」
「あるもの?」
またしてもはぐらかしたような言い方にディマリアは少し機嫌が悪くなっ
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