計算高き堕天使
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釈することができた。
「ヨザイネも来てるんだね、オーガスト」
「え!?」
クリスティーナを動かそうと考えた人物が誰なのかすぐに察したがついた。その名前を聞いた時、彼女の息子は思わず反応していた。
「さぁ、どうだろうな」
それに対してのオーガストの返答。その素っ気ない感じから、彼はそれを肯定と受け止める。
「天海、あれは気にしなくていいよ」
「なぜそう言い切れる?」
上空からの攻撃が来るのかと天海はその方向を見ていたが、クリスティーナはそんな気配も見せずにどんどんこの場を離れていく。彼らが何をやろうとしているのか多少は気になる天海は、ティオスにそんなことを聞いていた。
「大方、オーガストを使いながらヨザイネが安全圏に全員を避難させようって魂胆だよ。ただ、バレないように後方の数人しか連れていけてないようだけど」
ティオスはオーガストが時間を稼ぎ、ヨザイネが魔導士たちを自分たちから引き離そうとしているのだと考えていた。しかし、もしそうであっても彼らには何も問題はない。なぜならティオスは、瞬間移動で彼らを見つけることなど造作もないからだ。
(ほう・・・ティオスのこの発想・・・)
ティオスの勘違い・・・これを聞いたオーガストは思わず笑みを浮かべそうになったが、グッと堪える。もし彼らに感づかれたら、作戦が失敗することが目に見えていたからだ。
「大方体勢でも立て直したいんだろうけど、そんなもの全く意味がない・・・」
ティオスはそう言うと頬を膨らませる。それを見てオーガストとアイリーンはそれぞれの魔力を高め、防御に入る。
「次が戻ってくる前に、全員死ぬんだからな!!」
声とともに放たれたブレス。それはオーガストとアイリーン、二人の最強クラスの魔導士ですらあっさりと飲み込んだ。
「おい!!あれでも大丈夫なのか!?」
上空から地上を見ていたグラシアンは思わず声をあげた。ティオスの強烈なブレスが仲間たちを飲み込んでいくのを見て、とても冷静さを保ってはいられない。
「大丈夫よ。防御に徹しているオーガストを、破ることは、ティオスでも天海でも時間がかかるはずだから」
不安そうなグラシアンたちを見ても冷静なヨザイネ。そんな彼女を見て目を細める数人の魔導士たち。
「俺たちは一体どこに向かってるんですか?」
そう聞いたのは白き竜。その他にもローグやディマリアといった魔導士たちがこの船に乗っていた。
「あなたたちはティオスから聞いたわよね?時の狭間って」
「確かティオスが瞬間移動する時に入る空間のことか」
あながち間違ってはいない解釈のためヨザイネは肯定する。彼女は先頭で舵を切る等身の小さい男と金色
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