計算高き堕天使
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そんな発言。これには仲間の怒りを納めさせたルーファスも納得できない。
「ただ君がここにいる理由だけ聞ければいい!!それだけで私たちは納得する」
「だからそんなしょうもないこと答える時間もないって言ってるのよ」
余計な時間は一秒だって減らしたいヨザイネ。彼女はいまだに食い下がろうとしているルーファスの手を取った。
「私のお願いを聞いてほしいなぁ」
「!?////」
上目遣いで目を潤ませながら懇願してくる少女。その姿に間近で見ていたルーファスはもちろん、周囲にいたものたちが男女問わず顔を赤らめていた。
「な・・・何をすればいいんだ////」
狙い通りの回答に思わずしたり顔をするヨザイネ。彼女はその周辺にいるものたちにのみ聞こえるくらいの声でこう言った。
「ディマリアとあなたたちの仲間の幻竜・・・あとはあの船を操縦できる人たちを呼んできて。もちろん、ティオスたちにはバレないように」
ヨザイネがティオス討伐のために動き出した頃、前線では予想外の人物の登場に全員が面を喰らっていた。
「なんで・・・オーガスト様が・・・」
自らの命を賭けてティオスを道連れにしようとした魔導王の登場にアイリーンは口を開けていることしかできない。
「なんだ、仕留め損なったのか?ティオス」
オーガストは古代魔法アルス=マギアを放ちその体ごとティオスを消し去ろうとした。しかしそれはティオスの罠・・・その術中にハマってしまったはずの彼は命を落としたはずなのに・・・今この場に実在しているのである。
「ふぅ・・・やれやれ」
その姿を見たティオスは一つタメ息をついた。しかし、その目からは焦りの色は一切見えない。オーガストを捉えるその瞳は、まるで呆れているような印象を与えた。
「何か君は勘違いをしているんだよね。俺が君に罠を仕掛けたのは片腕を失っていたからだ。万全の状態である今、君程度が足掻こうが一切意味はないんだよ」
この時代のレオンを吸収したことにより通常の肉体とそれ以上の魔力を手にいれたティオス。そんな彼の前に現れたのが魔導王の異名を持っていようが関係ない。彼からすれば取るに足らない存在なのだ。
「果たしてそうかな?ティオス」
「??」
しかし、そんなことは重々承知しているはずのオーガストは不敵に笑ってみせた。それがどういうことなのかわからず、ティオスと天海は目を細める。
「グラシアン」コソッ
「??」
二人の強者の意識は完全にオーガストへと向けられている。その隙に数人の魔導士たちが前線から姿を消していたことに、彼らは全く気付くことができなかった。それが後々大きな意味を持つことを、思い知らされることになると
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