計算高き堕天使
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「ところでヨザイネ」
「何かしら?オーガスト」
地上へと降りていく2人。そんな中、オーガストはあることが気になり前を行くヨザイネに声をかけた。
「ティオスと天海・・・2人を止める作戦はあるのか?」
彼が気になっているのは、地上にてその絶大なる力を発揮している2人を如何にして倒すか。オーガストもヨザイネも魔力はかなり高い。しかし、ティオスの魔力と天海の戦闘能力はそれを遥かに上回っている。
たった2人が・・・しかも短時間という縛りがある中で助けに行ったところで、無策では何もできないのは目に見えていた。
「ギャンブルになるけど・・・方法がないわけではないわ」
「何?」
その言葉に耳を疑う。ヨザイネの頭の中にはすでにある作戦が練り込まれていた。彼女は横に並んだオーガストを見ながら、言葉を紡ぐ。
「はっきり言ってこれは賭けよ。成功できるかもわからないし、仮に成功しても本当にうまく行くのかわからない。それくらい未知数のことをしないと、2人は止められないわ」
彼女は彼らを倒すための作戦を持ってはいる。しかし、それが彼女の考えた通りの結果に繋がるか、そこが不安ではあるらしい。
「でも、うまくいけばティオスを弱体化させることができるわ」
「本当か!?」
実力・頭脳・魔力・体力・・・全てを兼ね備えていると言える完全無欠の敵。どこを攻めればいいのかさえわからないような相手の力がもし落とせるのであれば、それが確実じゃなくてすがりたくなるのが人の性。
「ただ、この作戦は時間がかかるの・・・それに、何人かの力も借りなきゃいけない」
「そこは大丈夫だ」
作戦の成功の可否・・・決行までの時間稼ぎ・・・挙げようと思えば不安材料などいくらでもある。それら全てを乗り越えられなければ、勝つことはできない。オーガストはそのための自分がやらなければならない使命を理解していた。
「私が時間を稼ぐ。その間にお前が・・・」
「ありがとう。必ずなんとかしてみせる」
目線を合わせ頷く2人。彼らの目の前には、地上が間近へと見えていた。
「じゃあ、前線は任せるわ」
「待て」
もうまもなく地上に着く。その前にティオスたちにバレないように離れた位置に着地しようと考え、オーガストと別れようとしたヨザイネだったが、オーガストがあることを問いかける。
「一応聞いておくが・・・何をするつもりだ?」
果たしてどんな作戦をしようと思っているのか。最後にそれだけは聞いておきたかった。戦いに集中するために、気になることだけはなくしておく。
その問いを聞いたヨザイネは、ニヤリと口角を上げる。
「ティオスが掌握している時の狭間・・・あれをーーー」
ヨザイネの作戦。それを聞いたオーガストはその予想外の作戦に思わず
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