第八十六話 董卓、赦されるのことその一
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第八十六話 董卓、赦されるのこと
袁紹と曹操の本陣にだ。吉報が入った。
「そうですのね、上手くいきましたのね」
「やっぱり董卓はあそこにいたのね」
「はい、そうです」
「あの場所にいました」
こう曹洪と曹仁が二人に話す。
「宮廷の奥深くにです」
「そう連絡がありました」
「まさかと思ったけれどね」
曹操が二人の報告に目を鋭くさせて述べる。
「そう。それなら」
「はい、張譲めもです」
「生きているとのことです」
彼のこともだ。話されるのだった。
「後宮の奥深くにです」
「そこにいます」
「?待つのじゃ」
これまで話を聞いていた袁術が二人に尋ねた。
「帝はどうされたのじゃ?」
「そうよね。帝はどうされたのかしら」
孫策も帝のことに気付いて言及する。
「御無事なのよね」
「帝のことはです」
「特に何も」
聞いていないとだ。二人は話すのだった。
「周泰殿達も御覧になられていないようです」
「帝はです」
「まさか」
袁紹はそのことを聞いてだ。顔を曇らせた。
そしてそのうえでだ。こう言うのだった。
「帝は宦官達に」
「大丈夫よ。帝は害されてはいないわ」
それは曹操が保障した。
「帝あっての宦官達なのはわかるわね」
「ええ、だからこそ厄介なのですわ」
「後宮は帝のもの。その帝がおられなければ」
「後宮はいらなくなり。宦官達も」
「そういうことよ。それはないわ」
曹操はまた袁紹に話した。
「帝は御無事よ」
「そうなのでしてね」
「ただ。帝もお姿を見せておられないし」
そのことからだ。曹操はこのことも察した。
「おそらくはね」
「董卓と同じ様に」
「幽閉されているわね。帝は後宮におられるわね」
「後宮。厄介ね」
曹操はこう言って顔を曇らせた。
「あそこに入ることはそれこそ宦官でないとできないしね」
「あれっ、入られないのは男だけじゃなかったのか?」
凱がこう袁紹達に問うた。
「後宮ってのはそうだったのじゃないのか?」
「それはそちらの世界の話じゃ」
そうだとだ。袁術が凱に話す。
「こちらの世界では帝の奥方か夫君や宦官しか入られぬのじゃ」
「夫?ああ、そうか」
漂はすぐに察して頷いた。
「女帝も普通なんだな。この世界じゃ」
「実際に漢の高祖や武帝も女性よ」
曹操がこのことを話す。
「光武帝もね」
「そうなんだな」
「こっちの世界は全然違うのよ」
女性の位置がだというのだ。
「普通に皇帝になれるから」
「その辺りが本当に違うのだな」
王虎も首を捻っている。
「同じ国でも。世界が違えばな」
「そうね。こっちもそちらの世界の話にはかなり驚いているわ」
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