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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第40話:エンターテイナーの使命
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ゃん」
「だろぉ?」
素直に感心してみせる奏に颯人は得意げに返した。
これこそがエンターテイナー。彼らエンターテイナーは、他人を笑顔にする事こそが最大の仕事である。その使命を見事に果たせた、颯人は己を誇っていたし奏はそんな彼を頼もしく思っていた。
「にしても、もしかしてだけどあの猫って狙ってああいう風に動いたのか?」
「おう、そうするように仕向けたからな」
「動物の調教もお手の物か。手品で食っていけなくなったらサーカスで猛獣使いにでもなれるんじゃないか?」
「それはそれで悪くはないけど、俺としては奏のマネージャーって線も捨てがたいな」
「その場合アタシにこき使われる事になるけど?」
「俺がタダでこき使われるとでも?」
やるべきことをやり終えたという達成感からか、響と未来の事などそっちのけで口で牽制し合う颯人と奏。
一方、響と未来は仲違いして疎遠になっていた間の時間を埋め合うかのように他愛のない話に花を咲かせていた。それこそ颯人と奏が眼中からいなくなるくらい。
何時の間にやら2人だけの空間を作ってしまっていた響と未来に、気付いた颯人と奏の2人は思わず苦笑しつつその場を後にした。あとは2人だけでも大丈夫だろう。寧ろこれ以上2人に構うのは無粋と言うものだ。
心なしか軽い足取りでその場を離れる2人の後を、自分も役目を終えたとばかりに猫がついていくのだった。
***
その夜、月明かりに照らされた街を屋根から屋根に飛び移りながら移動する複数の人影があった。
透とクリス、そしてその2人を追跡するメイジ達である。
何とか体を休める事が出来る場所を見つけた2人であったが、案の定早々に発見されメイジとノイズから逃げ惑う羽目になっていた。廃ビルを追い出されるような形で逃げ出した2人は、二課に捕捉される事も覚悟してイチイバルも用いて必死に追撃を振り切ろうとしていた。
「くそ、こいつら本当にしつけぇな!?」
文句を言いながらもクリスは引き金を引き、後ろから追いかけてくるメイジとノイズにミサイルと銃弾を雨霰と浴びせた。それを何とか凌いだとしても、次の瞬間には接近してきた透により意識を刈り取られる。
もう何度繰り返されたかもわからぬその追撃戦が、一区切りついた時には既に東の空が白み始めていた。
夜明けの光景に、透とクリスの2人は揃ってその場に腰を下ろした。元の服装に戻った2人の顔には、隠しきれない疲労の色が浮かんでいた。
「はぁ……はぁ……はぁ……くそ」
息を整えながら悪態を吐くクリスを、透がなけなしの体力を振り絞って抱き起しその場を離れていく。このままここに居ると二課に捕捉されたり、次の追撃に晒されるかもしれない。
百歩譲って二課に
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