第八十五話 命、忍達を救うのことその七
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「それでなのか」
「そう、多分貴方達がここに来たのはね」
「彼等と戦う為なのよ」
それが為だというのだ。
「誰かに呼ばれたのでしょうね」
「その誰かまではあたし達にもはっきりとはわからないけれど」
「神だな」
ここで出て来たのは華陀だった。彼が言うのであった。
「強いて言うならそうだな」
「ええ。あたし達は平行世界の守護者というか監視者というかね」
「それが仕事なのよ」
二人ははじめてだ。彼等のその役目も話すのだった。
「あたし達の他にもそうした人はいるけれどね」
「因果律の監視者もいれば」
「あらゆる世界を巡って戦う戦士もいるし」
「光の巨人に仮面の戦士達」
謎の存在の名前も出た。
「とにかくね。あたし達の他にも多くの人達がいるのよ」
「あらゆる世界を護る戦士達がね」
「それでこの世界に来たんだな」
ここまで話を聞いてだ。華陀は再び言った。
「そうだったのか」
「そういうこと。あたし達はこの世界を護って」
「この世界の人達がこの世界で幸せに暮らせるようにするわ」
二人はウィンクして話した。そのウィンクでだ。
周囲に再びだ。大爆発が起こった。
それをよそにだ。彼等はさらに話す。
「その為にこの世界に来ているからね」
「頑張るわよ」
「わかった。それならだ」
華陀もだ。二人の言葉に応える。そうしてだ。
彼は強い声でだ。二人に再び話した。
「及ばずながら俺もだ」
「ダーリンがいてくれたら百人力よ」
「それに皆もいてくれるし」
ギース達を見ての言葉だ。
「皆がいてくれるからね」
「あたし達も戦えるのよ」
「では我々が華陀達と共にいるのはだ」
ギースは彼等の話からだ。こんなことを言った。
「運命だったのだな」
「この世界を救って貴方達自身も救われる為にね」
「その神が呼んだのでしょうね」
「そうだったのか」
「貴方達の世界の人達は貴方達だけでは救われにくいのよ」
「運命の巡り合わせが悪くてね」
そのせいでだと言われるとだ。ギース達、しかも全員がだ。
妙に納得した顔になった。幻十郎も話す。
「俺は。碌でもない生まれをして碌でもない生き方をしてきたが」
「その貴方もこの世界に来てどうかしら」
「変わったわよね」
「変わったな」
その通りだとだ。彼もまた二人に話した。
「あちらの世界では斬り」
「あらゆる意味でね」
「斬ってきたのね」
幻十郎は女だけでなく男もいける。そうした意味でもだ。千人斬りをしてきたのだ。
そうしてだ。その中でもだった。彼の生きてきた道は。
「斬り酒に博打に薬だ」
「そうした生活を送ってきたけれど」
「今はどうかしら」
「どれからも離れた」
そうしただ。あらゆる退廃からだ。離れたというのだ。
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