“ホシトハナ”
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て。
「桜?」
『祝おう。衛藤可奈美。今、君のサーヴァントの誕生の時だ』
下層のフロア全体を包む、桜吹雪。
まるで春の森の中にいるかのような絶景に、可奈美は言葉を失った。
だが、それは『4th』には絶好のチャンスでしかない。
こちらへ向かってくる『4th』。
写シもほとんど切れかかっている可奈美には防御手段などなく。
「勇者パンチ!」
『4th』のみぞおちを、桃色の拳が穿った。
「……」
その異変により、ようやく可奈美は自分の危機に気付いた。
そして、現状。
より遠くへ距離を引き離された『4th』と、殴った後の体勢の人物がいた。
桃色のポニーテール。白とピンクの、セーラー服をベースにデザインされた服装。
敵を、そして可奈美を真っ直ぐ見据える瞳は、
可奈美の周囲を、白い牛と鬼が混じったような妖精が浮遊する。
「な、なにこれ?」
思わぬサプライズに、可奈美はしりもちをつく。牛の妖精は、しばらく可奈美とにらめっこをした後、桃色の人物の傍らに滞空した。
ようやくこちらを向いた、可奈美を救った人物。
可奈美と同じくらいの年の少女は、咲き誇る花のような笑顔を浮かべた。
「初めまして! マスター! 私、セイヴァーのサーヴァント、結城友奈です!」
「セイヴァー……?」
敬礼のポーズをする、友奈と名乗った少女に、可奈美は口が震えていた。
だが、友奈の方は頷き、
「えっと、呼び出されて早速命令されちゃっているけど、どうすればいいの?」
「あ、ああ! そうだった!」
友奈の言葉に、ようやく可奈美は我に返った。
「ねえ、えっと……セイヴァーって呼べばいい?」
「うん。あ、でも友奈でもいいよ?」
「じゃあ、友奈ちゃん! お願い、私、アカメちゃんを追いかけたい! ここ、任せていいかな?」
すると、友奈はじっと可奈美の顔を見つめていた。
「それって、その人のため?」
「うん。このままじゃあの人、自分の剣を見失っちゃう! それは、絶対にあってはならないことだから!」
「……そう。分かったよ、マスター!」
友奈は、『4th』から可奈美を守るように、可奈美の前に立つ。
「ここは私に任せて! マスター! 他の誰かのためになること! それが、勇者部だよ!」
「ゆ、勇者部?」
素っ頓狂な固有名詞に可奈美は一瞬戸惑うが、すぐに平静を取り戻す。
「そう。じゃ、ここはお願いね!」
そう言い残して、可奈美はアカメの後を追いかける。通路に出ようとしたとき、可奈美は足を止めた。
「あ! 友奈ちゃん!」
「何?」
可奈美は手を振りながら、告げた。
「私、衛藤可奈美! マスターじゃ
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