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Fate/WizarDragonknight
“ホシトハナ”
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「伝えたいこと……?」
「私は、アカメちゃんのこと、剣でしか知らない。アカメちゃんのこと、何も知らない私でも、これだけははっきり言える!」
「何だと……?」
「それはっ!」
「……っ!」

 可奈美がそれを言おうとしたとき、アカメは頭を抑え始めた。うめき声を上げながら、村雨を振り回す。千鳥で受け流し、バックステップで距離を取る。

「アカメちゃん!」
「寄るな!」

 駆け寄ろうとする可奈美に、アカメは村雨の刃を振るう。

「マスターか……うっ……」

 アカメが顔に汗をびっしょりと流しながら、歯を食いしばっている。
 やがて彼女は、何かにとりつかれたかのように可奈美に背を向け、飛び去った。

「待って! アカメちゃん!」

 彼女を追いかけようとするが、その前に『4th』が立ち塞がる。

「どいて!」

 可奈美は千鳥で斬り裂こうとするが、『4th』はいつ手にしたのか、警棒らしきもので千鳥を食い止めた。
 さらに、警棒の反撃で、可奈美は後退を余儀なくされた。

「こんな……っ! ここで足止めされている時間はないのに……!」

 銃と警棒。遠近両方に対応した戦い方に、可奈美は攻めあぐねていた。普段ならばじっくりと彼の攻撃パターンを観察していたいのだが、アカメが気になり、それどころではない。

「っ!」

 警棒が黒い軌道を描く。写シがすでに体の防壁という役割を擦り切らしており、可奈美の頬に、赤い傷跡が出来ていた。
 傷を撫でながら、可奈美はアカメが去った通路を見やる。怪物の体内のような空間に、一か所だけ空いた穴。常闇の先に足を向けるも、『4th』は決してそれを許さない。

「どうすればいいの……? どうすれば……!」

 焦りだけが募っていく。千鳥を握る手が滑っていく。
 その時。

『サーヴァントを呼べばいい』

 淡々とした声がした。声ではなく、脳裏に直接響くそれは、可奈美にも覚えのあるものだった。
 神出鬼没の妖精。可愛らしい感情を呼び起こす外観と、感情のない表情。キュウべえがそこにいた。

「キュウべえ……」
『助けがいるのだろう? なら、サーヴァントを呼べばいい』
「それは……」
『君もマスターだ。聖杯戦争を進めるにしろ止めるにしろ。サーヴァントの存在は君には有益だと思うけど?』
「……私は……っ!」

 可奈美は、一度『4th』を蹴り飛ばす。

___サーヴァントを呼べば、聖杯戦争から逃げられなくなる。生き残ることと、姫和ちゃんを助けることがつながる___

 考えたことを振り払い、握った令呪の拳を突きあた

「お願い! 令呪を使うから! だから、この場をお願い!」

 可奈美には見えない、膨大な魔力の流れが発生する。
 そし
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