第8章:拓かれる可能性
第253話「再臨」
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……ただ、あれの場合は理解されれば二度は通じないわ」
見れば、戦いはずっと続いていた。
初撃を躱したイリスは、ミエラとルフィナに構わずに優輝と相対した。
膨大な“闇”を繰り出し、優輝はそれを貫くように突破して凌ぐ。
「なっ……!?」
それだけではない。
転移を利用し、再び無意識の隙を突く。
肉薄し、瞬時に連撃を繰り出した。
「飽くまで、“そのまま”では、だけどね」
「転移と合わせれば、同じ事が出来るのね……」
イリスはその連撃を“闇”の障壁で防ぐが、衝撃は通り後退る。
「“エラトマの箱”による“領域”の侵蝕……これでお前の有利なフィールドに変えていたようだが……残念だったな。他ならぬお前自身が、それを打ち消した」
「ッ……!」
「状況を見るに、“領域”の侵蝕によって多数相手に渡り合っていたみたいだな。優奈もそれで押されてばかりだった……か」
理力を徹すように打撃を繰り出しつつ、優輝は冷静に状況を分析する。
近接戦から引き剥がそうとして、イリスが“闇”を放つが、転移で躱す。
結果的に距離を取られたが、転移直後に理力を針のように圧縮して放つ。
「くっ……!」
「シッ!」
理力の針が“闇”に突き刺さる。
圧縮された理力なためか、防がれはしたものの、“闇”を突き破っていた。
そこへ、転移と同時に優輝が鉤爪のように付けた理力の針を突き出す。
事前に刺さっていた針に、針が追突。圧縮された理力が炸裂する。
「ッ、はっ!!」
「ふっ……!」
「ッ―――!?」
障壁が破られ、攻撃を迎撃しようとイリスは先手の一撃を放つ。
だが、そこにいたのは分身魔法によるダミー。
本体は、上空に転移すると同時に理力の砲撃を放っていた。
「遅い」
「ぐっ……!?」
ついに、イリスが吹き飛ばされた。
転移からの無意識の隙を突いた攻撃。その二連。
一撃目はギリギリで回避したが、二撃目は躱せなかったようだ。
「……決まりね」
「えっ?」
それを見て、優奈が呟く。
「今の優輝は、神としての力に加えて導王流の極致を使っているわ。さっき言った無意識の隙を意図して突けるのなら、イリスに勝ち目はないわ」
「じゃあ、倒せるって事?」
「……そうね、あのイリスなら倒せるわね」
司の問いに、優奈は答える。
そして、その回答の答え合わせをするかのように、戦況が変わった。
「ぁ、ぐっ……!?」
「シッ!!」
攻撃の出が見えない程自然なカウンターを繰り出す導王流の極致、“極導神域”。
それを、優輝は攻撃に応用していた。
実際にイリスの反撃をカウン
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