第84話『捜索』
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した大地…?」
「──墓だ。お墓があったんだ」
「え…?」
晴登はそれを聞いて絶句する。あんな外れた道の先にお墓があったというのか。
大地が言うには、道が少しだけ開けた所に、墓石がポツンと1つだけ建っていたらしい。まして、その近くには骨が散らばっていたんだと。なんと恐ろしい。
…! ということは、狐太郎の言っていた"煙"とは"線香の煙"だったのかもしれない。普段から嗅ぐ訳でもないだろうから気づかなかったのだろう。
・・・いや待て、何で線香に火が付いているんだ。
「お墓ですか…。この辺に墓地があるとは知りませんでしたね」
「へっ」
山本の言葉に、晴登は思わず変な声を漏らす。少なくとも今日の内に、学校の関係者以外が山に立ち入ることはないはずだ。そして先生は墓の存在を知らなかった。それなのに、線香の火が付いていたのはおかしい。"今日、誰かが付けたはず"なのだ。
何だか背筋がムズムズしてきた。これはいよいよ嫌な予感がする。
「それにしても、おかしな話ですね」
「何がですか…?」
山本が優しく微笑む。もう十分おかしいことだらけなのだが、これ以上何があるというのだ。頼むから、あまり嫌な予感を助長しないで欲しい。ホントにシャレにならなくなる…!
「──どの分かれ道も2本しか用意していないはずなのに、どうして3本目があるのでしょうか?」
「「うわぁぁぁぁぁ!!!!!」」
山本の強烈なカミングアウトに、今日一の絶叫が森中に木霊していった。
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