第84話『捜索』
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んて…」
「そりゃ到着の時間が変わる訳だ」
それとこれは発見だったのだが、ルートによって分岐点の数も違ったらしい。晴登たちが肝試しで通ったルートは3つだったが、今しがた通ったルートはなんと5つもあったのだ。これは思った以上に捜索は大変そうだ。
「お、また分岐点に着いたぞ」
「ここってどのルートだったっけ…?」
「もう誰もわかんないよ」
しらみ潰しに探しているせいで、今の場所がわからない。見方によっては、晴登たちも道に迷っていることになりそうだ。
「おい、ちょっと待て、なんか変だぞ」
「ホントだ、道が3つある」
しかし、ここに来て変化が。今まで分かれ道は2つだったのだが、ここでは3つあったのだ。
といっても、2つは普通の道で、もう1つが獣道のような荒れた道だったのだが。
「明らかに怪しい…よな」
「まさか、ここ進んだのか…?」
普通の感性を持っていれば、間違いなくこのルートは通らないはず。だがこのレベルなら大地は迷わず進んでしまうだろうし、班員も辛うじてついて行きそうな気がする。間違いない。
「…行ってみよう」
晴登がそう言うと皆も同意して、先へと進むことになった。
*
「なぁ大地、この道ホントに合ってるのか?」
「え…あ、あぁ合ってる合ってる! 俺に任せとけって!」
「ならいいけどよ…」
大地の答えに、班員の男子が渋々だが納得する。
しかしマズいことになった。もう肝試しが始まって30分は経っているはずなのだが、未だにゴールが見えない。道もドンドン狭くなってきているし、もしかしなくても迷ったんじゃなかろうか。
「今さら方向音痴だなんて言えないしな…」
「何か言ったか?」
「い、いや何も!」
大地は班長の責任ゆえに、己が方向音痴であることを明かせずにいた。だからこそ、こんな状況に陥ってしまっている。笑えない話だ。
「それにいつまで続くんだよこの道…」
もし道が行き止まりであれば諦めもついた。しかし、こうも長々と続いてしまうと、もしかしたらゴールがあるのではと期待してしまう。人間の悪い癖である。
「どうしたもんか…」
大地は嘆きながらも、歩みを進めるしかなかった。いつかゴールに辿り着くと、そう信じて。
しかし現実とは非情なもので、唐突に"それ"は現れた。
「……ん、なんか踏んだか?」
それは卵の殻の様な、何やら固い感触だった。しかしそれは踏んだ衝撃で砕けたようである。
「何だろ──」
そう思って、大地は足元を照らした──照らしてしまった。
「うわあぁぁっ!?」
大地
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