第百六十二話 普通の難しさその四
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「そうする」
「そしてだな」
「治めていく」
まさにというのだ。
「それぞれの藩の内政は任せるがな」
「中央集権にはしていくか」
「江戸幕府とはそこが違う」
かなりの地方分権だったこの政権とは、というのだ。英雄は幸正に対してこうしたことも話した。酒を飲みつつだが目は酒には酔っていない。
「そして要所にある城達は堅固にする」
「そうしていてだな」
「その地域に何かあればな」
その時はというのだ。
「そこを拠点にして守り」
「かつ戦うな」
「その様にしていく」
「そこまで考えているか」
「そして水軍もな」
「強くしていくな」
「そうだ、奉行も置く」
水軍にもというのだ。
「そうもする、水軍奉行の地位は高くする」
「他の奉行よりもか」
「寺社奉行と同様だ」
そこまでというのだ。
「その様にしていく」
「水軍は大事だ」
その水軍を動かしている幸正の言葉だ。
「だからだ」
「このことはいいことだな」
「我もそう思う」
「ではその様にな」
「そしてそれぞれのお城に城代を置きますね」
紅葉はこのことを聞いてきた。
「左様ですね」
「そうだ、そしてだ」
「それぞれのお城を守り」
「何かあった時はな」
「その城代の人達がですね」
「将となる」
まさにその立場にというのだ。
「だから要職だ」
「左様ですね」
「そして中央にはな」
「大老に、ですね」
「老中や若年寄を置いてだ」
そしてというのだ。
「そのうえでな」
「治めますね」
「そうしていく」
「何かとお考えですね」
「そのつもりだ、しかし思うことは」
「といいますと」
「まだ先は長い」
こう言うのだった。
「この浮島の統一にしてもな」
「東に進みますが」
「それもな」
まさにというのだ。
「まだだ」
「先ですね」
「そうだ」
こう紅葉に答えた。
「今はな」
「そうですね、まだ政に専念していますし」
「それが整うこともだ」
このこともというのだ。
「先だ」
「だからですね」
「ここは腰を据えてだ」
そのうえでというのだ。
「治めていく」
「このまま」
「戦はまだ先だ」
「内政が整うまでは」
「まだまだな、それに魔物達の退治もな」
それもというのだ。
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