第99話 姉妹 中編
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「ああ、すまなかった」
正宗様はばつの悪そうな表情を浮かべ、真悠に駆け寄っていった。
「正宗様、真悠のことよろしくお願いします」
「任せておけ」
正宗様は笑顔を浮かべ、私に返事をした。
真悠の傷の治療は当然のことながら、私のときより時間が掛からなかった。
時間にして私の半分の時間だった。
真悠は傷が言えると両手を頭の上の方で組み、力一杯背伸びをしていた。
「う―――ん、やっと解放されました」
「真悠殿、反省しってらっしゃるのですか〜? 私の前だから良いですが、少しは自嘲してください」
風はアメを舐めながら真悠に言った。
「十分反省している。ここを出たら気をつける」
真悠は風の言葉をさらりと交わした。
態度を見る限り、反省の色はないでしょうね。
多少は反省しているんだろうけど、風のことが苦手なようね。
「風、私と愚妹の所為で迷惑を掛けてごめんなさい」
私は風に素直に謝罪をした。
「あ〜。揚羽様、顔をお上げください。私は正宗様に補佐をしただけなのです〜。謝罪なら、正宗様にお願いするのですよ」
風は私に少し挙動不審ぎみにアメを舐めるのを止めて言った。
「そうね・・・・・・。正宗様、今回のことは妻として、家臣として許されざることでした。申し訳ありませんでした」
私は風の言葉に納得して、正宗様に謝罪した。
「もう、そのことはいい」
正宗様は優しい表情で応えた。
その後、私達姉妹に正宗様から謹慎の命令が下った。
「揚羽、真悠には自室にて参ヶ月の謹慎を言い渡す」
「謹慎、申し受けいたします」
私は正宗様の命に拱手して応えた。
「謹慎、申し受けいたします」
真悠も私に倣って、正宗様の命に拱手して応えていた。
「正宗様、私は烏桓族討伐には着いていけませんが、ご助言したきことがございます。今夜、私の元をお尋ねくださいませんか」
私は烏桓族討伐で私が考案した計画を伝えることにした。
この討伐で彼らを根こそぎ狩っては不味い。
正宗様が冀州にて軍を展開しつつ、幽州への遠征を続けるための口実がいる。
冥琳殿にも概要は離しているので問題ないだろうが、正宗様に納得していただかなくてはいけない。
「分かった。今夜にでも訪ねる」
「あの〜。できれば、私も混ぜて貰えないですか〜。できれば、稟ちゃんも〜」
風が私と正宗様の会話に乱入してきた。
風と稟にこの話をするのか?
「これは今後の我軍の行動に絡むことだ。烏桓族討伐だけでなくな。もし、これを知れば、我が軍を去るようなことがあれば死体になって出て行くことになるぞ」
私は風を睨
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