提督と早霜のこっそり賄いメシ・2
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「あぁ〜……よく寝た。おはよう提督、早霜」
「おはよう天霧、つっても今午前0時だけどな」
「よく寝ていらっしゃいましたね」
カウンターの端で寝入っていたのは、綾波型5番艦の天霧。ウチの所属としては比較的年数が浅い方の艦娘で、性格は男勝り。嵐や天龍、摩耶なんかと気が合うらしくよくつるんでいる。身体を動かすのが好きで、接近戦を戦術に組み込むウチならではのやり方にも比較的早く馴染んだ娘でもある。
「あ〜、今日は非番だったから夕立さん達と1日ジムで汗流して、ひとっ風呂浴びてからここに来たからね〜。簡単に酔いが回っちまったのさ」
見れば確かに天霧の服装は征服ではなくホットパンツに薄手のTシャツという出で立ちで、風呂上がりに涼しい格好に着替えてから店に来た事が窺える。トレーニングの後で風呂に入り、そのままウチに来たのなら喉もカラカラ、体内も水分不足だったろうから、少し呑んだだけで酔いが回ったのにも頷ける。
「しっかし、夕立さんはやっぱ別格に強いねぇ。何回かMMA(総合)ルールでスパーリングしたけど、1回も勝てなかったよ」
「そりゃあなぁ。夕立はウチでも最古参に近い駆逐艦だぞ」
「それに、格闘技に関しては司令の勲当を受けてますしね」
夕立は天霧同様、考えて闘うよりも感覚的に身体を動かして戦う方が好みらしく、ボクシングを中心とした打撃系の格闘技を中心に一通りは教えてある。今も暇があればミット打ちやらスパーリングやらで指導を頼まれたりもするが。
「それそれ、夕立さんばっかずりぃよ。なぁ提督、アタシも鍛えてくんない?」
「ずりぃって言われてもなぁ……別に頼まれれば断らんぜ?俺は」
「え、そうなのか?」
「おう、元々俺もデスクワークよりはガテン系だしな」
ハナから書類仕事は好きじゃねぇし、もしも公然とフケられる理由があるなら大助かりと常日頃から思ってるんだ。艦娘の錬度向上や戦闘力アップに貢献する……なんて、書類仕事から逃げる最高の言い訳、もとい理由じゃねぇか。
「なんだよぉ、そういう事は教えといてくれよな!?提督」
「だって、聞かれなかったし」
だが、俺からトレーニングの相手を募集するのは何か違う気がするし、十中八九某腹黒眼鏡あたりが俺に仕事をさせる為に邪魔をしに来たハズだ。だからこそ聞かれたら教えるし、頼まれれば即OKするが誰にも話して来なかったんだ。……まぁ、夕立とか武蔵とか、前から俺に鍛えられてる連中は口コミで広めてるらしいからたまに教えを請いに来る奴はいるんだけどな。
「あ〜、なんかアホらしくなって来た!提督、アタシにも飯食わしてくれよ!」
「あん?お前こんな時間に食ったら太るぞ?」
「それ言ったら提督も早霜も食ってるだろ?それに寝てたから晩飯
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