第43節「遥か彼方、星が音楽となった…かの日」
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
っかり受け止めろッ!」
そして、二人の伴装者は奏で始める。
大事な人を助けたい。そんな、小さくとも尊き願いを叶える、奇蹟の旋律を。
「格納後、私が内部よりゲートを閉じるッ! ネフィリムは私が──」
「自分を犠牲にする気デスかッ!?」
「マリアアァーーッ!」
切歌と調が、私を追いかけて来てくれている。
でも、きっと間に合わないだろう。
私だって、こんなところで死にたくはない。
けれど、ネフィリムの落下を防げるのなら、これが最善の方法だ。
「こんなことで、私の罪が償えるはずがない……だけど──全ての命は、私が守ってみせる……ッ!」
ごめんなさい、ツェルト。出来る事ならあなたと二人で、セレナが起きるのを見届けたかった。
あなたと、セレナと、それから皆で……笑い合える明日に行きたかった──
見上げた先、ネフィリムと戦う力が残ってないからと見守る事に徹していた彼がいた場所に、光が見えた。
眩しいくらいに綺麗で、小さいのに強い光。
光はものすごいスピードで、私の方へと向かってくる。
調と切歌をあっという間に追い越して、そしてネフィリムの腕に黄金の鎖を巻き付けた彼は、弾けた閃光の中から飛び出してきた。
「マリアああああああああああッ!!」
「ツェルトッ!?」
それは、王者の如き威風を放つ黄金の鎧と、高貴さの象徴たる紫の装束に身を包んだツェルトの姿だった。
RN式、エンキドゥのエクスドライブモード……束ねられた70億の絶唱から、ツェルトが掴み取った奇跡が、私に手を伸ばしていた。
「お前をもう一人なんかにさせやしないッ! 絶対に、皆で帰るんだッ!」
「ツェルト……」
いつか、彼に言われた気がする。
『俺がマリアのヒーローになってやる。マリアの事、ひとりぼっちになんか、させてやるもんかッ!』
そっか……そうよね。そんな優しい彼に支えられてきたから、私はここまで頑張ってこれたのね……。
「──それじゃあ、マリアさんの命は、わたしたちが守ってみせますねッ!」
また泣きそうになりながら顔を上げると、立花響が自信に満ちた顔で隣に立っていた。
それに続くように、続々と集まってくる仲間たち。
その全員が、私に手を伸ばしていた。
「ここで見捨てるなど、防人の名が廃るッ!」
「罪なら生きて償えよ。死んで償おうなんざ、あたしが認めねえッ!」
「マリア。わたし達、家族でしょ?」
「アタシ達はいつでも一緒、死ぬ時だって一緒デスッ!」
「でも、今はまだその時じゃない。そうだろ?」
「あんたの事はよく知らないけどさ、でもこれだけは言える……──生きるのを諦めるなッ!」
「……あなたたち……ッ!」
どうやら誰一人として、私
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ