第12話
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ち倒す自身の光景が目に見えた。
『……今のは』
未来予知。現在の自分から、数十歩先の未来を見通し、それを現実にへとする力。2年以上アナザージオウの力を使い続けた事によってアラタが覚醒させた能力だが、今のアラタには知る由もない。
だが、コレならば。
アナザージオウは咄嗟に両手に握られた短剣と長剣を合体させて薙刀形態へと変えると、右手を巧みに使い、目にも止まらぬ速さで回転させ、放たれた弾丸を弾き飛ばしていく。
軌道を逸らされた弾丸は、アナザージオウ周辺にへと落下し、火柱を上げていく。
無傷で突破される事はアナザーフォーゼにとって計算外だったらしく、慌てふためくように背を向けて逃走を図ろうとする。
だが、それを見過ごす程アラタは甘くない。
『逃がす……かぁあ!!!』
槍投げの容量で投げた薙刀は、アナザーフォーゼの装甲を貫く。ロケットは持ち主の力が急速に弱くなった事によりその勢いを失い、地面へと急降下していく。
『????ーーーーッッ!!!』
アナザーフォーゼが断末魔をあげた直後ーーー、体は急速に分解されていき、爆音が辺り一体に響き渡る。
『……やったか』
先程の違和感は杞憂だったかと息を撫で下ろそうとした時、爆炎が吸い込まれていくかのように消沈していき、そこから影が現れる。その姿を認識したアラタは、ありえないと口ずさむ。同時に、自分の違和感は間違ってなかったと悟る。
顔は粉々に割れてしまった宝石の後頭部の装飾は異形の怪物の鷲掴んだ手を連想させ、目はドクロのように落ち窪んだ瞳。そして、シールドの中に隠れたクラッシャーと、左手の中指にはめられた指輪。刻まれた文字はーーー
『WIZARD』。
苦悶、悲痛とも取れるような表情で、『アナザーウィザード』はその姿を表すと、今まで発してなかった男の怒りを孕んだ声が響く。
『邪魔を……しないで貰えるかな!!』
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