第七十五話 宴会
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世界は、リセットしなければならない」
「トーマス!気でも狂ったか!正気に戻らんか!あの戦争と時から理想郷の在り方を嘆きながら誰よりも人間とレプリロイドの共存を望んでいたお前さんが…!」
「私は正気だ。私は正直後悔している。私が望んでいた共存はこんな歪んだ姿ではない…だからリセットし、本来あるべき姿へと戻す…それとも、新たな命を作り上げ、一から世界の歴史を始めるのだ。ミハイル、これが私の数百年もの時をかけて導き出した答えだ。あの時のアルバートではないが、否定をするのなら、止めてみたまえ。そう、最後の三賢人としてな」
「モデルVは消滅した。どうやってあの四人のロックマンと戦うつもりじゃ…」
「モデルV…あれを全てアルバートが回収出来たと思っているのかね?」
懐から取り出したのはモデルVの欠片。
禍々しい輝きを放つそれはミハイルにおぞましきを感じさせる。
「何故、お前さんがモデルVを…!」
「神を自称しようとアルバートも人間だ。全てのモデルVを回収するなど不可能。私は秘密裏にモデルVを回収し、少し手を加えただけだ。いずれウロボロスの力も私の手中に収まるだろう。私は君が最後の三賢人としてどのような答えを出すか楽しみにしていよう」
トーマスと四人のロックマンが転送の光に包まれてこの場を去る。
「…………残ったのは儂だけというわけか…どいつもこいつも妄想に取り憑かれおって」
数百年の時を過ごした腐れ縁の二人は堕ちてしまった。
トーマスはアルバートの敗北を知っているためにアルバートのような下手は打たないだろう。
そしてトーマス自身、生粋の科学者であったアルバートとは違い、武芸の達人でもある。
いくらあの四人でも苦戦は免れないであろう。
「使うしかないか…偽りの英雄の力を……そして…」
ある部屋に向かうと、そこには大型のカプセルがあり、その中に一人の女性が眠っていた。
その女性はプレリーの部屋に飾られていた少女にそっくりであった。
「許してくれ…トーマスはきっと動き出す。このライブメタルの適合者を探す時間がないんじゃ…すまん、Dr.シエル」
ミハイルが謝罪するが、意識がないシエルからの返事はなかった。
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