第90話
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伏せて黙り込んでいるリィンをラウラは複雑そうな表情で見つめた。
「リウイ王よ……これは実際に”黒”―――”地精”の”長”とも接触した経験がある妾の予想なのじゃが……恐らく、奴の肉体を滅した所で”黒”自身を抹殺する事はできんじゃろう。遥か昔の”黒”は別の肉体だった事を考えると、”黒”は何らかの方法によって別の肉体に乗り移って遥か昔から生き続けていたと思われるのじゃ。」
「言われてみれば確かにそうね………むしろ”今の黒のアルベリヒ”を滅したりしたら、別の人物の肉体に”黒のアルベリヒ”の”人格”が乗り移る事でそっちにとっては面倒な事態に陥るのじゃないかしら?」
その時アリサ達に対する助け船を出す為にローゼリアがリウイに意見を口にし、ローゼリアの意見を聞いたセリーヌは静かな表情で同意した。
「フム…………ならば、”黒のアルベリヒ”の”抹殺”は最終的にはセリカ達か”空の女神”達に委ねた方がよさそうだな……」
「そこで何故オレ達がクロスベルで出会ったあの人―――異世界では”神殺し”と呼ばれているセリカさんもそうだが、”空の女神”が出てくるのだろうか?」
二人の話を聞いて考え込みながら呟いたリウイの言葉が気になったガイウスは不思議そうな表情で訊ね
「”神殺し”――――――”神をも殺す絶大な力”だったら黒のアルベリヒという存在――――――要するに”魂”を”抹殺”できるからじゃないかしら?”空の女神”は……恐らくだけど、”あんなの”でも”女神”である事を考えると強力な”浄化”の神術の類も修めているでしょうから、”黒のアルベリヒの肉体ごと黒のアルベリヒの存在を浄化”―――要するに”抹消”させるような事もできるのだと思うわよ。」
「どの道、黒のアルベリヒを”フランツさんの肉体ごと消す”事には変わりないという事ですか………」
(”空の女神”を”あんなの”呼ばわりって……一体どういう人物なんですの、”空の女神”は……)
ガイウスの疑問に答えたセリーヌの推測を聞いたアンゼリカはアリサを気にしながら複雑そうな表情を浮かべ、話を聞いていたデュバリィは困惑していた。
「そういえば……先日の襲撃の撤退の際にリフィア皇女殿下が”黒のアルベリヒ”に深手を負わせた様子でしたが……あれ以降の”黒のアルベリヒ”の状態について、メンフィル帝国は何か情報を掴んではいないのでしょうか?」
「ああ、今の所はな。――――――とはいっても、”不死者”の身で”天界光”をまともに受けたのだから、少なくてもしばらく意識が戻ることはないだろう。」
「その……ちなみにその”天界光”という名前の魔術は”不死者”に対してそれ程までに強力な魔術なのでしょうか……?レン皇女殿下から、異世界の神聖魔術――――――”破邪”の魔術は悪魔もそうですが、霊体や不死者に対して特に効果的という話は聞いています
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