第八話「新たな同居人?」
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同級生の子たちと一緒に駆けていった。
「仮面ライダー、か……」
俺は、妙にライダーになって後悔していたことや初めて人を殺したことに対する恐怖心やトラウマから徐々に救われていく気持ちになった。
そう、命をためらいなく奪う悪い奴なら殺す。それが人間だろうが怪人だろうが今の俺には関係ないんだ。ライダーになった以上、俺はそう改めて決心した。
ネオサイクロン号の後のバックに買い物バッグに入った食材や日用品を入れて、元来た道を戻って行った。
「あれ?」
神社に就くと、石段付近にある駐輪場に見知らぬバイクがまだ置いてあった。
「まさか――」
俺はふと嫌な予感を察知してか、ものすごい勢いで石段を駆けあがって行き、すぐさま社務所兼自宅へとドタバタ音を立てながら上がって食卓を見れば……
「おう、お帰り」
やつだ。奴がまだ嫌がった。俺よりも先に茶碗を片手に飯を堂々と頬張りやがっている乾巧の姿が見えた。
「……」
両手に持っていた買い物袋がズルっと手から滑り落ちて畳に落下し、バッグからリンゴや玉ねぎが足元へ転がり落ちる。
「あ、雷羽君おかえりなさい! ごめんね、先にご飯にしちゃって――」
台所から暖簾をくぐって巫女装束越しに割烹着を着た朱鳥が出てきた。
「……ねぇ、朱鳥。どうしてコイツまだいんの?」
ギシギシと体をきしませながら俺は恐る恐る巧みに指を向けて彼女に訊ねた。
「お金がたまる当分の間は、ここで泊まらせてあげようかなって思いまして」
笑顔で答える彼女に、俺は内心恐怖と絶望にかられる。
「まぁ、当分世話になるぞ」
飯を食いながら真顔で言い出す彼に俺は深々とため息をついた。
何やら、面倒で厄介な恋敵にもなりうる? 新たな同居人のライダーがこちらに住み着いてしまったようである。
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