第八話「新たな同居人?」
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か?
「雷羽君〜!」
台所から朱鳥の声が聞こえた。
「あ、どうした」
咄嗟に台所へ振り返る雷羽に、朱鳥はこう続ける。
「ちょっとお買い物へ行ってもらいたいのですが――」
「おう、わかった」
一旦装束を脱いで私服に着替えなおすと、俺は朱鳥から渡されたメモ用紙と財布を持って神社を出た。
「大丈夫、だよな……」
石段を下りていく中、縁側で堂々と寛ぎ続けている巧を思い出しながら近場の、といっても気だしする場所は蓬町である。蓬町の商店街のほうが安くて質のいい食材や生活用品が結構売ってある。それに、前回のことで魚路さんや壮太君は元気でやっているかと気になる。
「なんだ?」
すると、駐輪場に見知らぬバイクが置いてあった。メカメカしい銀のバイクだ。最近の流行りなのか?
「まぁいいや」
俺は、その近くに置いてあるR25――ならぬ「ネオサイクロン号」へ跨った。白を基調としたレーサーレプリカであり、排気量も250から1000CCに格上げされたことでR25よりも二回りほど大きい。カラスロイドの一件以来、敷島博士が俺のバイクをライダー時でも耐えられるよう専用に改造してくれたのだ。
あの人、人間ライダーを嫌っているけど――
心の中で俺はふとあの悲しそうな彼の後姿を思いだした……
蓬町の商店街へたどり着いた俺はバイクを止めて商店街へ足を踏み入れた。
「魚路さん」
「おう、兄ちゃんかい!」
「サンマの開きをください」
「ちょっとまってな!」
どうやら魚路さんも変わりないようだ。
「この前は大丈夫でしたか? 怪人に巻き込まれたって聞きましたけど」
「おう、この前は仮面ライダーの集団が助けに来てくれてな! いやぁ、本当に命拾いしたぜ。特に、あのラージっていうでっかいライダーには借りができちまったなぁ」
「……そうですか、とにかく御無事でよかったです」
「そういや、壮太の奴がアンちゃんをさがしてんぞ? あいつ、ラージのファンになっちまったっていうしな」
「そうなんですか!」
それをきいて、俺は少し恥ずかしくも嬉しくなった。
その後、魚路さんの魚屋を出た後、次の目背へ向かう途中に、
「雷羽兄ちゃん!」
「壮太君?」
はしゃぎながら駆け寄ってくるぽっちゃりした少年が現れた。壮太君だ。もしかして、あの時のことがまだ忘れられないようなのか。だとしたら嬉しい反面すごい恥ずかしくなる……
「……でね! ラージっていう仮面ライダーがさ――」
「ほう?」
俺にこの出来事を話したかったのか、興奮気味で話し続けるのに俺はオウム返しのように返しながら頷きつつ彼の話を聞き続けた。てか、めっちゃ恥ずかしぃ!
「じゃあね! また遊び来てよ」
手を振りながら、壮太は後ろの
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