第八話「新たな同居人?」
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とかいう名前の青年にこう尋ねた――というよりも尋問した。
「ところで、アンタどこかで会ったような気がするんだけど」
「はぁ?」
「昔……随分昔の話だ。小学生のころ俺を虐めまくったガキ大将と名前がすっごい被るんだ」
「って知るかッ! 小学生の頃のテメェなんて知らねぇよ!!」
「まぁまぁ、それよりも……」
と、朱鳥は巧にお盆に乗せた握り飯と沢庵を差し出した。
「お腹が空いていらっしゃるのなら、ぜひどうぞ」
「お、おぉ!」
礼を言うよりも前に乾は握り飯を両手に頬張り始めた。
「ちょっと朱鳥……」
「ん?」
俺の呼び声に朱鳥は首を傾げながら振り返った。
二人は巧みに背を向けると、雷羽はお人よし過ぎる朱鳥に呆れながらこういう。
「そう簡単に信用していいのか?」
「だって、お腹が空いて困っている人が居ましたら、私だって……それに」
なにか、感じるようだと朱鳥はこう続ける。
「あの乾さんって方から仮面ライダーの反応が強く出ているんです。種類は人間ライダーにみえるようなんですけど、それ以外にも違う反応も出てるんですよ」
「あのオッサンに?」
「オッサン言うな!」
食い終わった巧は、雷羽の「オッサン」発言にだけ勢いよく突っ込みを入れた。
「あら、もう食べ終わったんですか?」
お盆の上はきれいさっぱりに片付いていた。
「ああ、本当に助かったぜ! ありがとな」
「――で、聞いてたのか?」
と、俺は恐る恐る言い出す。
「え? ああ、さっきのことか。そうだよ、俺『ファイズ』っていう仮面ライダーだ。まぁ、賽銭泥棒に関しては悪かったな。それと、飯恵んでくれたことに礼を言うぜ」
「まぁ、いいけど――っていうか乾さん?」
「あぁ? 巧でいいぞ」
「下の名前は個人的にイヤなんで」
「お前喧嘩売ってんのか……!」
握りこぶしを震わせる彼であるが、そんな雰囲気で再び朱鳥が「まぁまぁ」と苦笑いして間に入る。
「あーあ、やっぱりファイズだったかぁ」
と、此方の居間へ滝さんが上がりこんできた。この人、警察なのに人の家に平然と上がり込んでいく図太さは紙一重だな。
「滝さん――っていうか、社務所へ勝手に上がってこられては困りますよ」
「別にいいじゃねぇか。俺とお前らの仲なんだしよ――それに、ここは朱鳥ちゃんの神社なんだし、バイトのお前には関係ねぇだろ。なぁ、朱鳥ちゃん!」
「でも、雷羽君も一つ屋根の下で一緒に同居しているので、雷羽君のお家でもあるんですよ」
そうニッコリ言う彼女に、滝はニヤニヤしながら「ほぅ〜?」とからかうように雷羽を見た。
「なんだ、カラス野郎の一件でさらに仲良くなった感じに見えるじゃねぇか? 最初は『九豪君』だったのが、今では『雷羽君
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