第八話「新たな同居人?」
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「……」
来客と会ってしばらくたった後に雷羽は戻ってきた。しかし、一言も朱鳥に口も利かずにうつむいたまま境内を掃き清めている。
「どうしたんだろう、九豪君」
そんな彼の後姿を心配に見守る朱鳥は、声をかけていいのか否か、迷い始めた。
――あの人も、仮面ライダーだったのか……
雷羽は、先ほど出会った高見沢グループの総帥という大物との会話を何度も振り返った。
先ほどの話は、人気の少ない境内の御神木の前で始まった。
『高見沢逸郎、またの名を……仮面ライダーベルデだ」
『仮面ライダー!?』
瞬間、俺は身構えした。目の前にいるコイツが善か悪かで考えれば、後者のオーラがぷんぷん匂ってくる。
『身構えはやめたまえ。とりあえず、話をしたい。いいかね?』
『アンタ……正義系のライダーには見えないな?』
正義、それを聞いた高見沢は吐き捨てるようにこう言った。
『ハッ! 正義というものは人がそれぞれに抱く思想を貫くことの意味だ。テレビに出てくるような、単なる子供だましの幻想とは違うのだよ少年』
『それで、何のようだよ?』
しかし、俺は警戒を続けた。
『君とあの子が、現ショッカーの手によって生み出された強化人間ということは既に知っている。バイオ生体技術と高性能なナノマシン細胞の複合技術で生み出された、オルフェノク同様の新人類とも言っていい亜人種だ。あぁ、失礼だと思うなら詫びよう。君たちから見て、我々人類は最も愚かで狡猾なズル賢い生き物だからな』
それはまるで、見下すというよりもこちらへ何かを求めているような欲深い視線で話しているように見える。この男は何が目的なんだ?
『……何の、用ですか?』
俺は続けて警戒した目つきで睨むように彼を見た。明らかに良い人間とは思えないオーラがなおも漂う。
『ふっふっふ……嫌われたものだな、当然か。君を見ていると、いつぞやのライダーのことを思い出してしまう。バカがつくぐらいにお人好しで共感を偽ればあっけなく相手を信じ込んでしまう。どうしようもないくらいの世間知らずでとんだ青二才の若造ライダーをね。果たして、今頃生き残っているかな?
……前世でのミラーワールドにおける戦いが終わっても、奴らとの戦いが終わったわけじゃない。彼はライダーとなって再び戦うことになったというと――救いようがないな』
『……』
いったい何を言っているのか、俺は警戒しながら恐る恐る高見沢を見た。彼は続ける。
『しかし、前世の記憶を引き継いだまま我々が再びライダーへ復帰できたことは何よりも好都合だ』
『さっきから何を言ってるんだ? アンタは――』
『九豪雷羽ッ!』
ビシッと、そんな俺に向けて高見沢の指先がこちらへ向けられた。
『……私の元で、ライダーとならないか? もち
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