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ドリトル先生の競馬
第十一幕その四

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「勝敗以上にだよ」
「健闘とスポーツマンシップだよね」
「その二つを讃えて楽しむ」
「それが先生のスポーツ観戦だね」
「うん、そしてね」
 それでと言う先生でした。
「僕は礼儀作法もね」
「守ってだよね」
「ちゃんと」
「そうして観戦しているね」
「紳士でありたいと思っているなら」
 それならというのです。
「やっぱりね」
「礼儀作法、マナーはね」
「絶対に守らないと」
「何があっても取り乱さないで」
「紳士でいないと」
「本当に駄目だよ」
 それこそというのです。
「こうした時もね」
「何処でもそうしたマナーが駄目な人いるけれど」
「どうしてもね」
「もう怒鳴ったり暴れたり」
「そんな人がいるわね」
「それはね」
 本当にというのです。
「僕は絶対にしない様にね」
「思ってだね」
「心に定めて」
「そしてしないね」
「何があっても」
「その様にしているよ、それとね」
 先生はさらにお話しました。
「基本こうした時は熱中して場も暑いから」
「あっ、水分もね」
「それもよね」
「ちゃんと補給しないとね」
「飲まないと」
「そうだよ、飲まないとね」
 それでもというのです。
「駄目だよ」
「熱中症ですね」
 トミーも言ってきました。
「それですね」
「そうなんだ、それが怖いからね」
「競技場ではですね」
「僕達観る側もね」
「ちゃんと水分を摂らないとってことですね」
「うん、お水かね」
「スポーツドリンクですね」
「そういったものがいいね」
「そう思ってね」
 王子も先生に言ってきました。
「僕もだよ」
「飲みものを持って来たんだね」
「そうしてきたよ」
「では」
 ここで執事さんが言ってきました。
「これを」
「あっ、スポーツドリンクだね」
「持ってきましたので」
「だからだね」
「皆さんの分も持ってきましたので」
 だからだというのです。
「安心してお飲み下さい」
「いつも悪いね」
「私は殿下の侍従でありますので」
「そして執事さんだからなんだ」
「当然のことです」
「それでなんだね」
「感謝には及びません」
 こう王子に言うのでした。
「それには」
「いやいや、それでもね」
「殿下はですか」
「人は感謝を忘れたら駄目じゃないから」
 だからだというのです。
「それでだよ」
「感謝して頂けるのですか」
「そうだよ、本当に有り難う」
「こちらこそ有り難うございます」
 執事さんは王子に笑顔で答えました、そうしてです。
 王子だけでなく皆にペットボトルのスポーツドリンクを差し出しました、そのうえで皆に対して言うのでした。
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