黒魔導士と妖精軍師
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とティオス、2人の前にあっさりと・・・それも、誰も幸せになれない形で葬り去られてしまったことに絶望していた。
「あらあら、これはちょっと可哀想ね」
そんな彼の横で他人事のように声を出したアンクセラム。そのあまりの無神経さにオーガストが彼女を睨み付けると・・・
ガシッ
その目には彼女の胸ぐらを掴んでいる少女の姿が目に入った。
「なぜそんなことが言えるんですか!?この世界はあなたが作ったんでしょう!?その世界が終わろうとしているのに、なんでそんな飄々としていられるんですか!?」
目にいっぱいに涙を溜めて感情的になっているヨザイネ。ドラゴンたちもオーガストも、彼女の気持ちがよくわかる。しかし、生と死を司る神である彼女を怒らせてしまうと、このあとどうなってしまうかわからない。
「ヨザイネ、落ち着いて」
「まだ大丈夫だ。叔父さんもお前の息子もいるのだから」
ヴァッサボーネとオーガストがそう声をかけるが、彼女はその手を一向に離そうとしない。掴まれている神は、それすらも他人事のように無表情を貫いていた。
「ヨザイネ、あなたは何か勘違いをしているのよね」
「かん・・・違い?」
突然、彼女の手を払い泉に目をやるアンクセラム。彼女はティオスとシリル、2人を大きく映し出す。
「私は確かにこの世界を生み出した。でも、この世界でやることはこの世界に住むものたちに委ねている。もし意見が違うもの同士が対立していても、どちらかに肩入れすることはできないのよ」
「それは・・・わかっていますけど・・・」
オーガストを再び地上に送るため、生と死を司る彼女に助けを求めようとしたヨザイネに対して、非情とも取れる言葉。これにはオーガストもドラゴンたちも押し黙ることしかできない。
「私は何が起きてもどちらかは助けないし、咎めることもない」
あくまで中立であり、運命に従うスタイルを貫く神。今にも泣き出しそうなヨザイネはそれを黙って聞いていると、次に発せられる言葉に耳を疑った。
「例えば、お団子ヘアの"天使の力を持つ人間"が相手を道連れにするために強大な魔法を使った"死者"を連れて地上の誰かを助けに行っても何も言わないし裁きも加えない。それくらい私は傍観者でいることにしてるの」
「え・・・それって・・・」
その言葉を聞いたヨザイネの顔は満面の笑みになっていた。それを横目で見たアンクセラムはあくまで傍観を装うためか、無表情を貫いていた。
「ありがとうございます!!行ってきます!!」
「だから私は関係ないわ。何をするかはあなたが決めるしかないのよ」
「はい!!」
この上ない笑顔と返事で答えるヨザイネ。彼女はオーガストの手を握り立ち上がると、七頭のドラゴンたちを
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