黒魔導士と妖精軍師
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思い出すだけでもう挑む気力も出てこない。
「これほどまでとは・・・」
「俺たちでは・・・太刀打ちできるはずがねぇ・・・」
ミネルバさんとスティングさん・・・剣咬の虎の実力者である2人でさえも、戦意が完全に失せていた。このままでは、ただ一方的に虐殺されるだけになってしまう・・・
「ナツ、下がっていてくれ」
まるで金縛りにでもあったかのような感覚に陥っている俺たちの前に立つ1人の青年。彼は最愛の家族を守るように天海とレオンを見据える。
「兄ちゃん・・・」
彼の前に立ったのはゼレフだった。ゼレフは脅威の力を持つ2人の前に立ち、何を語ろうとしているのだろう。
第三者side
「そんな・・・天海が生きてたなんて・・・」
地上を見下ろしていたうちの1人、お団子ヘアの少女はありえない人物の戦闘への参戦にフラフラすると、そのまま地面へと倒れてしまう。
「ヨザイネ!!大丈夫!?」
「もうダメかも・・・」
ヴァッサボーネが心配し、爪の先で彼女をツンツンとすると、彼女は真っ青な顔でそう答えるのがやっとだった。
「これがカミューニとゼレフが危惧してたことよ。まぁ、死んでないとは思ってたけど」
まるで自分には関係ないことのように言葉を発するアンクセラム。そんな彼女に対し、ヨザイネは起き上がると泣きながらしがみついた。
「アンクセラム様!!お願いだからオーガストだけでも・・・できればヴァッサボーネとかも蘇らせてもらえないですか!?」
「なんでさっきより要求が大きくなってるんだ?」
あまりにも絶望的な状態にこの戦争よりも前に死んでしまっているドラゴンたちの力も借りようと懇願し出すヨザイネ。しかし、最初の願いも通らなかったのに、もっと大きい願いなど通るはずもなく・・・
「だから私にはそんなことできないわ。諦めなさい」
「そこをなんとか〜!!」
まるでおもちゃを買ってもらえなかった子供のようなリアクションを取る天使に苦笑いするしかないドラゴンたち。だが、この老人だけは決して慌てていなかった。
「案ずるな、ヨザイネ」
「オーガスト・・・」
泉から地上を見つめるオーガスト。彼の目に映るのは、最大の脅威にもっとも近い位置にいる黒髪の青年。
「お父さんなら・・・何か流れを変えてくれるはずだ」
フィオーレとアルバレス・・・両国の魔導士たちの前に立ち2人の狂戦士の前に立ち塞がるのは、アルバレス帝国の皇帝であり、フィオーレで語り継がれる伝説の黒魔導士・ゼレフ。
「スプリガン・・・」
「俺たちに何か用?黒魔導士」
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