黒魔導士と妖精軍師
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「ティオス・・・お前にしてはずいぶん手間取っているみたいだな」
そう言ってレオンの真後ろにやってくる天海。その隙にカミューニさんとジェラールさんは少しずつ2人から距離を取るように・・・俺たちの方へと戻ってきている。
「そう言わないでくれよ、天海。君だってシリルの攻撃に反応できなかったじゃないか」
「あれは完全に警戒を怠っていた。だが、次からは反応してみせる」
レオンと天海・・・2人が並んだ時、思わず体中から冷や汗が流れていくのを感じた。そしてそれは俺だけじゃない。周りにいる皆さんも、同様のリアクションをしているのを肌で感じる。
「バカな・・・ティオスだけでも厄介なのに・・・」
「天海まで生きているなんて・・・」
エルザさんとカグラさん、2人の女剣士がそう言う。フィオーレでも有数の実力者である2人さえ恐怖を感じているのに、他のものたちがそれを感じずにいられるはずがない。
「何を怯えてるんだ?お前ら」
「ティオスはともかく、こいつからは魔力を感じない。何も警戒する必要はないだろ?」
ギルダーツさんとグラシアンさんは体が縮こまり、動けなくなっている俺たちの前に立つと、目の前の敵に視線を合わせる。しかしそれは、彼らが天海の強さを知らないから言えることなんだ。
「ダメです!!2人とも!!」
「「!!」」
今にも飛び出しそうな2人を今出せる目一杯の声で引き留める。彼らはその声で戦意を削がれたらしく、殺気が収まっていた。
「あの人を甘く見ちゃダメです」
「あの人はハルジオンで私たちの誰も歯が立ちませんでした」
「天海はレオンが命を賭けるまでしないと止めることができなかったの」
「何!?」
「そんなバカな・・・」
俺とウェンディ、シェリアが彼の実力を告げると、ギルダーツさんたちは驚愕していた。それは彼のことを知らない全員が、同様の反応をするに決まっている。
「1人増えようが関係ねぇ。俺たち全員の力があれば、必ず勝てる!!」
そんな中でも、ナツさんだけは決して臆するようなことはなかった。彼は自らの炎で全身を覆い始める。
「奴は殺して大丈夫なのか?ティオス」
「あぁ、せっかくだし任せようかな?天海」
そう言ってレオンの前に天海が出た途端、ナツさんの表情が・・・いや、他にも先程まで天海を警戒していなかった皆さんまでもが表情を強張らせた。理由は、臨戦態勢に入った天海だ。彼の放つプレッシャーがあまりにも大きく、それまで戦う気力に溢れていたナツさんでさえ、体がすくんでいるように見える。
「どうした?戦う気力も消え失せたのか?」
「くっ・・・」
目の前の敵が戦意喪失したことに失望したのか、天海も戦う構えを解いている。おかげでプレッシャーは多少下がったが、さっきのそれを
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