イグナイトモジュール
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る。
「それ、鳥なの……って、うわ!」
アサシンの素早い動きに、響の防御が間に合わなくなっていく。
だが、すぐに体勢を立て直し、響の拳とアサシンの刀が幾度も火花を散らす。
その時、更に強烈な乱入者の攻撃が入る。漆黒の光線が、雨のように天より降り注いできた。
「これって? コウスケさん!」
「わーってるよ!」
響と可奈美、そしてアサシンは、その雨より素早い動きで回避する。ビーストはファルコを使い、チノともう一人の女の子を抱えて避けた。
可奈美と背中合わせに立った時、ようやく響に、上空を見上げる余裕を得た。
「あれって、キャスター?」
漆黒の天使こと、キャスター。彼女が手を突き上げ、それに伴って、無数の光の柱が地面を穿つ。
響はそれをはじき返し、アサシンの剣を蹴りで防ぎ、ビーストのもとへ跳び寄った。
「おう、響。大丈夫か?」
「コウスケさん」
「悪いけど、オレあのマスターを追いかけてえんだけど。マスターはマスター同士、決着つけた方がいいだろ?」
「じゃあ、私はアサシンを……」
引き受ける。そう、続けようとした響の前に、件のアサシンが剣を振りかざしていた。
「しまっ!」
防御が間に合わない。
だが、その前に、横から新らたな刃が、アサシンの攻撃を防いだ。
「可奈美ちゃん!」
「響ちゃん! アカメちゃんは、私に任せて!」
可奈美はそのまま、アサシンを床にたたきつける。同時に、「太阿之剣」と叫び、下の階へ落ちていった。
「お願い。可奈美ちゃん。だったら私は、チノちゃんたちを安全なところに連れて行かなきゃ」
響はビーストの両手に抱えられているチノと、もう一人の女の子を見下ろす。
「チノちゃん……と、そのお友達?」
「ま、マヤです……」
背の低い、八重歯が特徴的なマヤという女の子の頭を響は撫でた。
「私は響。よろしくね」
「あの……響さん」
チノが、驚いた眼でこちらを見上げている。
前もこんなことあったなと思いながら、響はチノが何かを問いかける前に、背中を向けた。
「私はここで、キャスターと……あれを」
響が指差したもの。
まだいるのか、と内心ため息をついていた。
二体の人型の怪物たち。『7th』と額に書かれた二体の怪物たち。男性的な肉体と、女性的な肉体のものだった。
「私が、この子たちを守りながら戦います! だからコウスケさん!」
「ああ!」
ビーストは、そのままファルコのマントをはためかせる。
オレンジの風を纏い、飛び去っていくマスターを、響はじっと見つめていた。
彼の姿が見えなくなってから、響は上空のキャスター、二体の『7th』を睨む。
「二人とも。絶
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