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戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱してないシンフォギアG〜装者達の日常〜
大好きな君へ 〜前編〜 (風鳴翔誕生日回)
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げてくれた。

立花響にとって、いつの間にか心地の良い木陰となっていた彼の存在は、既に響を包み込むように大きくなっていた事を、彼女は自覚した。

「翔はね、立花さんの話をするとき、とっても楽しそうに笑うんだ。それくらい翔にとって、立花さんの存在は大きいんだ」
「あたしはお前らの関係がどうだなんて、大して知ってるわけじゃねぇ。でもな……お前が思っている以上に、お前はあいつの事、大事に想ってるんじゃねぇのか?」
「純くん……クリスちゃん……」
「もう一度聞くわよ。立花、あなたは翔の誕生日、どうしたいの?」

優しい表情で、真っ直ぐに見つめてくる翼の問いかけに、響は今度こそ胸を張って応えた。

「わたし……翔くんの誕生日、祝いたいですッ! 初めてできた好きな人の誕生日、精一杯祝ってあげたいですッ!」
「ああ……それでいいんだ、立花」
「はいッ!」

翔の誕生日を祝うと決めた響と、満足そうに笑う翼。
まるで姉妹のような雰囲気を醸し出している二人を見守りながら、純とクリスは笑った。

「それにしても、あのバカにしては珍しいな」
「友達に対してバカはダメだって……。でも、そうだね……これはあくまで僕の推測だけど、立花さんは“恋心”を正しく理解していないんじゃないかな?」
「なんだそりゃ?」

純の意味深な言葉に、クリスは首を傾げる。

「ほら、立花さんって博愛精神の塊みたいなところあるでしょ?」
「まあ……そうだな」
「多分、恋愛と博愛の違いがよく分かっていないんだよ。そこに彼女自身の自信のなさが加わって、『自分よりも他の誰かの方が翔を幸せにできるのでは?』って不安がどこかにあるんだよ。それこそ、翔への想いを見失ってしまうくらいにね」
「そういうもんなのか?」
「さあ。僕はクリスちゃんへの気持ちを見失ったことなんてないから……」
「ッ! さ、サラっとそういう事言うんじゃねぇよ、バカ……」

顔を真っ赤にしながら、純の服の袖を掴むクリス。
純は微笑みながら、もう一度響と翼の方を見る。

「でも、翔ならきっと、立花さんの不安を吹き飛ばしてくれる」
「……根拠はあんのか?」
「そういう男なんだよ、翔は」
「ふぅん……」



──これが遡る事一か月前のこと。

そして今日は、翔の誕生日当日だ。
響は一生懸命用意したそれをテーブルに置き、翔を呼びに向かって行った。
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