暁 〜小説投稿サイト〜
戦姫絶唱シンフォギア〜響き交わる伴装者〜
戦姫絶唱してないシンフォギアG〜装者達の日常〜
大好きな君へ 〜前編〜 (風鳴翔誕生日回)
[1/2]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「翔くんの誕生日……ですか?」

翼にそれを教えられたのは、ルナアタックの後。政府の管理下で監視されていた頃のある日だった。

「ああ、そうだ。きたる7月5日は翔の誕生日。今年は立花も祝ってくれるのだろう?」
「いいんですか!? わたしなんかがお邪魔しちゃっても……」
「立花は翔の恋人でしょう? 恋人の誕生日を祝うのは、当たり前でしょう?」
「それは……」

何やら気まずそうにしている響を見て、翼は首を傾げる。

「立花さん、もしかして自分に自信がないのかな?」
「爽々波……」
「純くん、クリスちゃん」

そこへ、純とクリスがやって来た。
純は得意の観察眼で、響の言動や表情から導き出した結論を口にする。

「い、いや〜、そんな事は〜……」
「誤魔化すんじゃねぇ。ジュンくんの目は誤魔化せねぇぞ」
「うッ、クリスちゃんまで……」

図星を突かれたようで、響は一瞬どもる。

「立花、誤魔化さないで正直に言ってくれ」
「……でも……」
「翔の誕生日、立花はどうしたいの?」
「ッ……それは……」

翼にそっと手を握られ、まっすぐ見つめられて、響はしばらく悩んでいた。

やがて、響は絞り出すように呟く。

「わたしも……翔くんの誕生日、祝ってあげたいです。でも……わたしなんかが来たら、迷惑なんじゃないかなって……」
「はぁ? なんだそりゃあ?」
「迷惑って、どういう事かしら?」

響の口から出た、思いもしない言葉。
翼を始め、誰もが首を傾げる。

「わたし、今でも信じられないんです。わたしが翔くんの恋人なんだって……。本当に、わたしなんかでよかったのかなって……」
「立花──」

次の瞬間、翼の平手が響の頬を打っていた。

「──ッ!?」
「翼さんッ!?」
「おいッ! ……ッ!?」

響の頬を叩いた直後、翼は響を抱きしめる。
何が起きたのか分からず、響は困惑した。

「いいか立花。お前は翔に選ばれたんだ。他でもない翔自身がお前を、立花響を欲したのだ。そしてお前自身もまた、翔を求めた。違うか?」
「……」
「翔はお前を愛しているからこそ、二課に入ることを選んだ。翔はお前を愛しているからこそ、戦場に立つための力をその手に掴んだ。立花の為なら翔は、自分の命さえ厭わない……それはあなたが一番よく知っているでしょう?」
「……ッ!」

その言葉で響の脳裏に、これまで翔がしてくれた事が思い出される。

常に真っ直ぐ響を見つめ、常に本気で響に向き合ってくれた翔の姿。
あの日、夕日の下で互いの想いを交わし合った時。響自身も、向かい合った翔も、同じくらいドキドキしていた。

フィーネとの戦いでも、翔は響を守る為に何度も立ち上がった。
暴走した時、暗闇の中から引き上
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ