TURN44 インド独立その七
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「これだけの砂嵐ですと通り抜けることはできません」
「エイリス軍の艦艇でもな」
「はい、無理です」
こう言うのだった。
「ですから上下は安心していいです」
「だな。じゃあ円陣はな」
「平面的にいきます」
またネルソンが言う。
「そうしましょう」
「よし、それじゃあな」
こうしてエイリス軍は上下の砂嵐を頼りにした守りを固めた。そのうえで太平洋軍を待ち受けた。
その状況は太平洋軍も確認していた。そしてだった。
東郷は長門の艦橋からだ。こう秋山に言った。
「気付かれていないな」
「はい、まだ」
「それならだ」
「今からですね」
「攻撃にかかる。いいな」
「エイリス軍は我々に気付いていませんね」
「まさかここから来るとは思ってもいないだろうな」
実際にエイリス軍は彼等に気付いてはいなかった。それが東郷にとっては実に有り難いことだった。
それでだ。東郷は言うのだった。
「敵の虚を衝く。そして」
「そしてですね」
「先んずれば人を制すだ」
この言葉も出すのだった。
「その二つが揃えばだ」
「例え五倍以上の敵でもですか」
「勝てる」
そうなるというのだ。
「いいな。それならな」
「はい、それでは」
「全軍降下する」
これが東郷の命令だった。
「いいな」
「了解です」
こうしてだった。太平洋軍は動いたのだった。
エイリス軍はまだ気付いていない。その彼等に。
突如として上から何かが来た。それは。
「何っ、ビーム!?」
「ビームが来た!?」
「太陽軍、まさか!」
「砂嵐の上から!」
これは彼等が全く想定していないことだった。それで。
エイリス軍はそのビームを避けられなかった。次々と攻撃を受けた艦艇が行動不能、若しくは撃沈される。
太平洋軍は上の砂嵐から来た。そうしてだった。
ビームの次はミサイルだ。それでもエイリス軍を倒していく。
不意を衝かれたエイリス軍は攻撃を受ける一方だった。そして。
次は鉄鋼弾だった。それも受けたのだった。
エイリス軍のダメージはかなりのものになる。その彼等を上から下に通り抜けて下の砂嵐の中に潜り込んだ。
「消えた!?砂嵐の中に」
「砂嵐から出て来て」
生き残ったエイリス軍の将兵達はそれを見て言う。
「どういうつもりだ、一体」
「また砂嵐の中に隠れるとは」
「おい、何処に行ったかわかるか!?」
イギリスは将兵達に問うた。
「連中は砂嵐の何処にいるんだ!」
「わかりません、レーダーが効きません!」
「砂嵐があまりに強く!」
「目視もできません!」
「完全に隠れています!」
「ちっ、砂嵐から来るとはな!」
苦々しい顔で言うイギリスだった。
「奴等、まさかな」
「祖国殿、ここはです」
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