ターン28 翠緑の谷の逆鱗
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間大のロボット。鋼鉄の体でポーズを決めたその背中に背負った巨大な歯車に例によってオーバーレイ・ユニットが吸い込まれると、目が覚めたみたいにそいつが加速しながら回り始めたのさ。
ギアギガント X(2)→(1)
「ギアギガントは1ターンに1度オーバーレイ・ユニットを使うことで、デッキか墓地からレベル4以下の機械族モンスターを手札に加えることができる。俺が選ぶカードは、ブラック・ボンバー!」
「機械族闇属性を蘇生する効果持ちのチューナー、蘇生対象はたった今墓地にいったメカ・ハンターってか?なるほどな、案外考えてるじゃねえか」
「はっ、今はいいぜ、そうやって自分の方が強いって余裕ぶってりゃよ。すぐに間違ってたことがわかるからな!カードをセットして、ターンエンドだ」
「ごちゃごちゃ抜かしやがって……アタシのターン!」
さんざん言い放題言われて、いい加減アタシも腹立ってたんだろな。つーか、今思い出しても腹立ってくるな。多少押せ押せでいこうって気になったのも、まあそういうことだ。
「不知火の武部を召喚し、効果発動。このカードの召喚時、ターン内のアンデット以外の特殊召喚を縛るかわりにデッキから妖刀−不知火モンスターを特殊召喚できる。アタシが呼ぶのはもう一振りの刀、逢魔ノ妖刀−不知火!」
赤を基調にした和装の短髪少女が薙刀を振るうと炎の軌跡が尾を引いて、揺らめき踊る炎が現世と幽世の境界を薄く、互いに互いを混じりあわせる。本来ならば「向こう側」にあるべき逢魔の力を受けた妖刀が、たった今馬鹿の手によってできたてほやほやの廃墟に突き立ったのさ。
不知火の武部 攻1500
逢魔ノ妖刀−不知火 攻800
「アンタが初手でエクシーズなら、アタシはシンクロ召喚だ。レベル4の武部にレベル3、逢魔ノ妖刀をチューニング!戦場貪る妖の龍よ、屍闘の果てに百鬼を喰らえ。シンクロ召喚、真紅眼の不屍竜!」
☆4+☆3=☆7
真紅眼の不屍竜 攻2400
アタシのエースの一角、鬼火の目を持つ腐敗した黒き竜……ん、どした?何か言いたげだな。ああ、ガス爆発か。不知火の炎も真紅眼の鬼火も、ただの炎じゃないからな。もっとオカルト的なもんだから、これでものが燃えたりはしない。なんでそう言い切れるのかって?あー……ここだけの話だがな、どうにかして召喚のどさくさに紛れて煙草に火がつけられないか何度か試してみたことがあったからな。おい、これ鼓には絶対言うなよ?もう10年以上前の話とはいえ、どんだけ小言喰らうかわかったもんじゃないからな。
よし、いいな?続けるぞ。
「フィールド魔法、アンデットワールド。生あるものなど絶え果てて、死体が死体を喰らう土地。せっかくプロが相手してやるって
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