ターン28 翠緑の谷の逆鱗
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クだよ、デュエルディスク。あの時代はどこにでも売ってた、ごく普通の大量生産モデルのな。それを腕に付けて起動して、まだ動かないアタシをちょっと苛立った調子で睨みつけてきた。
「どうした、プロデュエリスト様よう。デュエル、しようぜ?だーーいすきなカードで、最後に遊ばせてやるよ」
狙いはわかってた。アタシがその勝負を受けたら、当然アタシのデュエルディスクは「BV」を起動する。なにせまだ出始めの機能だったからな、オンオフ切り替えなんて便利なもんはついてなかったんだ。
デュエルをすれば、カードは実体化する。警察が来る前に、もうひと暴れして被害を広げようって腹に違いない。どんな挑発を受けようとも、この勝負にだけは乗るわけにはいかなかった。そう、思ったんだけどなぁ。そんな決意、次にそいつが動かないアタシに業を煮やして取り出したものを見た瞬間に吹っ飛んじまった。
「……そいつはっ!」
「いい反応だな、プロデュエリスト様?その通り、こいつはダイナマイトだ。俺はお前たちみたいにカードで何でもできるだなんてこと、最初から信じちゃいなかったからな。当然、それ以外の方法も準備してあるってわけだ。これ以上そこから動かなけりゃ、こいつが火を噴くぜ?このガスだ、俺もお前も辺り一面丸ごと吹き飛ばしてやれるだろうぜ」
……まったく馬鹿げてやがる話だろ?だがな、そいつの目は間違いなくマジだった。間違いなくそこにあるダイナマイトに比べりゃ、デュエルの方がまだマシだ。よく言うだろ、あの手の頭がぶっ飛んじまった奴相手にゃとにかく言うこと聞いて下手に刺激しない方がいいって。
結局アタシは、デュエルディスクを起動した。
「「……デュエル!」」
「人生最後のデュエル、せいぜい楽しもうや。俺のターン、レスキューラビット!そしてこのモンスターを除外することで、レベル4以下の同名通常モンスター2体をデッキから特殊召喚できる。来い、メカ・ハンター!」
瓦礫の隙間から顔を出した、安全ヘルメットをかぶった兎。ぴょんぴょん跳ね回って倒れたビルの窓ガラスの内側に姿を消したかと思ったら、割れた窓のフレームが突然内側からぶち破られた。円盤状の体にいくつもの細い副腕を生やした瓜二つの……要するにだ、メカ・ハンターがリクルートされたんだよ。
レスキューラビット 攻300
メカ・ハンター 攻1850
メカ・ハンター 攻1850
「そして俺は機械族のレベル4モンスター、メカ・ハンター2体でオーバーレイ……回れ歯車。行く手遮る全てを潰す鋼鉄の進撃!エクシーズ召喚、ランク4!ギアギガント X!」
☆4+☆4=★4
ギアギガント X 攻2300
赤や青、緑。物々しい口上にしちゃ随分カラフルな色合いの、いかにもって感じな風貌をした人
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