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遊戯王BV〜摩天楼の四方山話〜
ターン28 翠緑の谷の逆鱗
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》の太刀よ、一刀の下に輪廻を刻め。逢魔シンクロ、刀神−不知火!」

 ☆4+☆2=☆6
 刀神−不知火 攻2500

「そして不知火の隠者は除外された時、別の名を持つ不知火1体を帰還させることができる。妖刀再誕!」

 妖刀−不知火 攻800

「……なるほど、狙いはさらに上のレベルを持つモンスターのシンクロか。だったらこれだ!トラップ発動、パルス・ボム!俺のフィールドに機械族がいるときにのみ発動でき、このターンの間だけ相手モンスター及びこれから出される相手モンスター全ては守備表示を強要される!」

 刀神−不知火 攻2500→守0
 妖刀−不知火 攻800→守0

「……はっ」

 竜の渓谷の全域で電磁波がざわめき、刀神と妖刀がその全身を電磁の網で拘束される。だが、所詮は浅知恵でしかないな。もちろんパルス・ボムも悪いカードじゃないんだが、あの時のアタシをそれ1枚で止めようってんならちっとばかし役不足だ。

「構わねえさ。アタシはアンデット族のフロイライン、ドーハスーラ、刀神、妖刀の4体を左、左下、右下、右のリンクマーカーにセッティング!」
「リンクモンスター、それもリンク4か……!」

 わかりきったことに答える道理はない、だろ?最初に変化が起きたのは、竜の渓谷にかかる深い霧だった。ぺきぺきと微かだが確かな硬質の音がして、ゆっくりと霧が水滴に、そして光を反射し煌めく微細な氷の粒に変化していくさまがはっきりとアタシには見えた。山肌に薄く霜が張り詰めたかと思うと、すさまじい勢いでそれが分厚くなってみるみるうちに視界の全てを白い氷に染め上げられてっちまう。頭上の太陽までその勢いを弱めて、切れかけの電球みたいな頼りない光をほんのちょびっと届けるだけだった。

「……戦場染め変える妖の白刃よ!凍てつく輪廻を零に還せ!リンク召喚、リンク4ッ!零氷(れいひょう)魔妖(まやかし)−雪女!」

 零氷の魔妖−雪女 攻2900

 すっかり吹雪吹き荒ぶ雪山へと装いを変えた竜の渓谷に、純白の着物を着た女が1人。その手に持っていたのは、全体を凍り付かせた巨大な薙刀。普段リンク4なんてアタシのデッキじゃめったなことでは出す機会もないんだが、今回あえてアタシがこいつに頼ったのには訳がある。それはおいおい話すとして、まずはいかにしてアタシが勝ったのかだ。

「で、でも攻撃力は2900!たとえメカ・ハンターが狙われても、まだ……!」
「悪いな、アンタさっき自分で言ってたろ?アタシのプライドを叩き潰すって。だからアタシも、アンタに同じことをしてやるよ。狙いはただひとつ、お前だパワー・ツール!」

 そう機械の龍を指さすと、その全身が足元から雪に埋もれ、氷に取り込まれていった。そいつがあまりに急速だったからな、ロクに抵抗す
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