ターン28 翠緑の谷の逆鱗
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ネキンキャット(2)→(1)
メカ・ハンター 攻1850
マネキンキャットが髪飾りの小判を外して上空高くに放り投げると、一拍おいてから雨みたいに大量の小判が竜の渓谷に降り注いできた。するとその黄金の輝きにつられたみたいに、墓地に行ったはずのメカ・ハンターも蘇ったってわけだ。
とはいえ、アタシとしてこれはあんまり面白くはない。ここで攻撃力100しかないブラック・ボンバーを蘇生させてやればその次の戦闘で大ダメージは必須、そうしてやりたいのはやまやまだったんだが。竜の渓谷のソリッドビジョンのせいで忘れそうになるとはいえ、アタシらがその時デュエルしてる場所は崩れたビル群のど真ん中。まだ止まってないガスも、その頃にはだいぶあたりに溜まってきてたからな。文字通り爆弾型モンスターのブラック・ボンバーなんて呼び出して戦闘破壊なんてかました時にゃ、最悪の事態まで考えなきゃいけなくなる。メカ・ハンターを選んだのは、苦肉の策って奴だ。
「この瞬間、マネキンキャットの更なる効果発動。相手フィールドにモンスターが特殊召喚された時に相手モンスター1体を対象に取り、種族か属性の同じモンスターを手札、デッキ、墓地から選んで特殊召喚できる。百鬼夜行の小判振る舞い!闇属性のメカ・ハンターと同じ闇属性モンスター、お望みどおりに呼んでやるとも。死霊を統べる夜の王、死霊王 ドーハスーラ!」
霧に包まれた竜の渓谷、その光も届かないほど地下深く。ずるり、ずるりと湿った音が、アタシらのいる場所に次第に近づいてきた。蛇のような下半身をうねらせて、死霊どもの怨嗟の声を後ろに。真紅に輝く宝玉の付いた杖を岩肌に突き立てて、ドーハスーラがやってきたのさ。
……ククッ、その嫌そうな顔。アンタとのデュエルじゃ、大暴れしてくれたもんな?そうやっていい反応してくれると、多少はアタシの気も紛れるからどんどんやってくれ。どうせこの話、オチはろくなことにならねえんだからな。
死霊王 ドーハスーラ 攻2800
「さあ、バトルだ。ドーハスーラ、パワー・ツールをスクラップにしてやれ!」
ドーハスーラが吼えて杖を差し向けると、あたりを漂う無数の霊魂が強制的に使い捨ての弾丸となって特攻をかけ始めた。ブランディストックとシャベルで防御姿勢をとるパワー・ツールだったが、まあ無駄だわな。みるみるうちにピカピカだった装甲は穴だらけになって、これまた金属製の尻尾も根元からぶっちぎれて深い谷底へ真っ逆さまだ。
だが面倒なことに、まーだそれだけじゃ終わらなかったんだよな。全身がぶち抜かれて鉄くずになる寸前、あちこちの破砕痕から無数のプラズマが不規則にその全身を走り始めた。どこにそんな力があったのか突然飛び上がって、自由落下の勢いをつけてまだ辛うじてくっついてた左手のシャベルの一撃をドーハスーラ
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