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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第39話:力無き者の戦い
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らもついて行くことにした。
彼の雰囲気などから少なくとも危険な人物ではない事は察する事が出来たと言うのは勿論だが、響が戦っている事に関してより深い話が聞けるかもしれないと思ったからだ。
2人はその場から少し歩き、リディアンの裏手にある小さな公園のベンチに腰掛けた。周囲にはあまり人の気配がない。話の内容が内容なので、他人に聞かれる危険の少ない場所を選んだのだ。
ベンチに着くと、颯人は近くの自販機で缶コーヒーを二つ買い一つを未来に渡した。
「ま、まずはこれでも飲んで落ち着きなよ」
「ありがとうございます…………それで、あの……」
コーヒーは蓋すら開けず早速本題に入ろうとした未来だったが、颯人がそれよりも早くに自分の缶の蓋を開け中身を一気に流し込んでいるので思わず言葉を飲み込んでしまう。
「ん、失礼。それで、本題だけどね」
「あ、はい」
「まぁ、最初に言いたい事は……響ちゃんの事は許してやってくれって話だな」
「許す?」
颯人の言葉に未来の表情が更に険しくなるが、彼はそれに気付きつつ話を続けた。
「そう。響ちゃんについては、もう大体の事情は聞いたと思う。あの子にもおいそれと話せなかった理由があるんだ」
「それはもう響にも聞きました」
「そうだな。つまり、君が響ちゃんと喧嘩したのは響ちゃんが許せないんじゃなくて、響ちゃんに対して何もしてやれなかった自分が許せなかったから…………だろう?」
その言葉に未来は目を見開いた。正に彼の言う通りだったからだ。
先日響を拒絶してしまったのは、響が自分の知らない所で戦い傷付いているのにそんな事を知らずにのうのうと過ごし何もしてやる事が出来なかった自分を許せなかったから。共に痛みを共有することも苦労を肩代わりする事も出来ず、彼女の負担となるしかないのが耐えられなかったからだ。
そんな思いを見抜かれてしまった事に、未来は思わず思考を停止させてしまった。
驚いた拍子に未来の手から蓋の開いていない缶コーヒーが滑り落ちる。それを見て颯人は小さく肩を竦めると、落ちた缶コーヒーを拾って未来に渡すと話を続けた。
「未来ちゃんの気持ちは分かるよ。俺も一度は自分の無力さに心が折れそうになった」
「手品師さんもですか? あ、えっと──」
「おっと、そう言えばまだ名乗ってなかったな。こいつは失礼。明星 颯人だ。以後お見知りおきを」
「は、はい。もう知ってるみたいですけど、小日向 未来です。それで、颯人さんはどうして?」
「詳しく話すと長くなるからここじゃ割愛するけど、俺も昔自分に力がなくて大切な奴が居なくなるかもしれないって事に心が折れそうになったことがあるのさ。自分が情けなくてね」
未来は颯人の話に聞き入った。缶コーヒーを開ける事も忘
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