第8章:拓かれる可能性
第252話「闇が示す光」
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私すら、今まで気づかなかった……!」
絶句する皆の代わりに、優奈が言葉を紡ぐ。
どうしてここにいるのか、どうしてイリスの“闇”を止められたのか。
その答えを。
「―――貴女も……貴女もイリスだったのね……高町桃子!!」
「………その通りよ。もう一人の優輝君……いえ、優奈ちゃん」
そう。イリスの前に現れたのは、なのはの母親である桃子だった。
「なんで……桃子さんは、一般人だったはずじゃあ……」
「簡単な事よ……!なのはと奏に宿っていたミエラとルフィナ同様、イリスも同じように人として転生を繰り返していたのよ!」
本来、桃子は普通の一般人だ。
しかし、なのはと奏のように、イリスが宿っていた。
そのため、同じイリスの“闇”を止めたのだ。
当然、優奈の言葉を聞いて、全員が桃子も警戒する。
……だが。
「は、はは……あはははははははははははははははははははははははははは!!」
その警戒を打ち消すように、イリスが笑う。
まるでおかしなものを見たかのように、攻撃の手すら止めて笑っていた。
「何が出てきたかと思えば!!まさか、あの時打ち砕かれた私の“領域”の欠片ですか!!まるで絞りカスのような貴女が、今更出てきて何の用ですか!?先程の行動を見るに、同じ私でありながら敵対したようですけど?!」
「…………」
嘲笑うイリスに、桃子は何も返さない。
「桃子!」
そこへ、別の人物が……桃子の夫である、士郎がやって来た。
避難場所である幽世から、ここまで走って来たのだろう。かなり息を切らしていた。
「……今までありがとう。士郎さん。……安心して。貴方の妻は、きっちり無事に返しますから」
「えっ……!?」
そういうや否や、桃子は分裂した。
片方は、気絶した状態の普通の桃子となり、士郎に抱き留められた。
もう片方は、姿こそ桃子だが、その体は淡く透けていた。
「私は、数多の“可能性”見てきました。彼女達のように、決して諦めない光の“可能性”もあれば、それこそ闇でありながらも“可能性”示す存在も……」
「だから、何だというのです?先程私の攻撃を打ち消した時点で、既に限界のはずですよ。現に、ただでさえ残りカスのような“領域”が、消え去ろうとしています」
体が透けているのは、“領域”が限界な証だ。
それは、桃子に宿っていた方のイリスも承知のようだった。
「どんな存在であろうと、“可能性”を示す事が出来る。……例え、私のように“闇の性質”であろうと……!!」
「何を……っ、まさか!?」
「なればこそ、今示しましょう!数多の“可能性”の
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