第8章:拓かれる可能性
第252話「闇が示す光」
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にいられれば、嬉しいしドキドキする。……だから、ね?また一緒にいるためにも……戻ってきてよ……!」
打って変わった葵の悲痛な言葉が響く。
真剣な時はあっても、葵が悲しみに満ちた言葉を発するのは今までなかった。
だからこそ、その言葉が優輝をさらに揺さぶる。
「……優輝さん。私は前世で、貴方の心臓に助けられた。その鼓動は今も私の中に残ってる。……だからこそ、絶対に諦めないわ。貴方が前世の時に、教えてくれたから……!」
かつて、奏は心臓病で人生を諦めていた。
それを立ち直らせたのが、当時の優輝だ。
そんな優輝と同じように、奏は優輝の事を決して諦めない。
恩人で、憧れたからこその言葉が、優輝に響く。
「……これだけ言われる程、お前は慕われているんだ。優輝」
「だというのに、何も応えないというのは、些か無粋じゃないかしら?」
二人の言葉への返答は、創造魔法だった。
だが、葵や奏が放ったレイピアや魔力弾が弾き飛ばす。
「俺達は、あまりお前や緋雪に親らしい事をしてやれなかった。だけど……いや、だからこそ!親として今ここでお前を止める!」
「いつも貴方は一人でも頑張ってた。……でも、いい加減周りを頼ってもいいのよ。だから、戻ってきなさい!」
続々と展開される創造魔法による武器群を、優香と光輝は撃ち落とす。
しかし、数が多く弾ききれない。
「……お兄ちゃん」
そこへ、緋雪の魔力弾が飛来し、残りの武器群を打ち砕く。
「っ、……―――」
そのまま、皆と同じように何かを言おうとして、言葉を詰まらせる。
何かを言おうとした。だが、今の優輝を目の前にして、頭が真っ白になった。
「お兄、ちゃん……お願い……戻ってきてよぉ……!」
辛うじて言葉に出来たのは、懇願の言葉だった。
涙が溢れ、それ以外の言葉を言えなかった。
「ッ――――――」
だけど、だからこそなのか。
冷たいままなはずの優輝の眼差しが、僅かに揺らいだ。
「―――させませんよっ!!」
その時、“闇”が空から圧し潰してきた。
すぐさま司の天巫女の力と、椿の霊術を基点に、警戒していた者達が迎え撃つ。
「っ……イリス……!」
「このっ……!彼を元になんて戻させませんよ……!それ以上の“想定外”は、もう起こさせません!疾く、呑まれなさい……!」
「させねぇっ!!」
優奈達を撒いてきたためか、イリスは焦ったようにそう叫ぶ。
そんなイリスに、帝が追いついてきて飛び蹴りを繰り出した。
「くっ……!他人の力ばかり使う人間が……!邪魔を……!」
「洗脳した奴を都合よく扱ってるて
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