第8章:拓かれる可能性
第252話「闇が示す光」
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に近づく。
「優輝……」
「優輝、聞こえる?」
語りかけるように、二人は呼びかける。
だが、優輝の返答は、創造魔法による攻撃だった。
「ッ……!」
「大丈夫」
「でも、雪ちゃん!」
咄嗟に葵がレイピアを生成して相殺する。
さらに無力化のために行動を起こそうとして……緋雪に制された。
「私が、受け止めるから」
「いや、緋雪だけじゃない。俺達も、親として受け止めて見せる」
「娘にだけ、無茶はさせないわ」
覚悟の決まったその言葉に、椿達はそれ以上何も言えなかった。
「……司、転移だけは絶対に阻止しなさい。他は、私達が抑えるわ」
「ここは、雪ちゃん達に任せるのが最善、だね」
「……そうだね」
家族だからこそ、響くものがあるかもしれない。
椿はそう判断し、だからこそ逃げられないように警戒する事にした。
「……でも、それでも……私達だって、優輝さんを想ってる。だから……!」
それでも、と奏が声を上げようとする。
直後、創造魔法の展開とそれを緋雪達が弾く音が響き渡る。
だが、弾ききれなかったのか、一つの剣が奏に向かって飛んでくる。
「っ……!」
「……本当、長年生きてると一部の視野が狭まるわね。……何を遠慮しているのかしら、私。そうよ、私達だって、優輝の事が大切。そこに家族かどうかなんて、関係ないわ」
しかし、それは奏が迎撃する前に、椿が割り込んで短刀で弾いた。
「優輝!!いつまでもイリスに良いように使われてるんじゃないわよ!!貴方は……!貴方は、そんな風に終わる人じゃないでしょう!?」
「か、かやちゃん!?」
そのまま、椿は言霊と共に優輝へと呼びかけた。
優輝への想いも込めたその言葉が、優輝の心を揺さぶる。
「奏の言う通りよ。私達だって、優輝を想ってる。……だったら、黙って三人を支援するだけじゃあ、気が済まないでしょ!?」
「―――」
椿の言葉に、葵だけでなく奏や司も言葉を失い、息を呑んだ。
同時に、“確かにその通りだ”と納得した。
「……優輝君」
再度、創造魔法が展開される。
今度は、緋雪達が迎撃する前に司が全て撃ち落とした。
「以前は、心を閉ざした私を助けるために、凄く無茶をしたよね。私は、まだその時の恩を返せてないと思ってる。……だから、私にその恩を返させて。親友として、貴方を想う一人として……。そのためにも、お願い……戻ってきて……!」
祈りの籠った言葉が、優輝へと届く。
天巫女の力が、優輝を覆う“闇”を僅かに祓う。
「優ちゃん。あたしは……あたしも、皆と同じように貴方を想ってるよ。いつも態度に出さないようにしてるけど……傍
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