第8章:拓かれる可能性
第252話「闇が示す光」
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張本人はイリスの前へと一瞬で移動してきた。
「間に合ったようね。帝」
「ああ。後は任せろってあの二人に言われたからな」
そう。上空で多数の神達と戦っていた帝だ。
既に半数以上は仕留めてきたのか、もうミエラとルフィナだけで十分となっていた。
そのため、こうして帝はイリスとの戦いに参戦してきたのだ。
「もう一人の想定外。忘れたとは言わせないわよ?」
「っ……!」
今度こそ、イリスは苦虫を噛み潰したような顔をする。
物理的な速度で言えば、この場では帝が一番速い。
転移を使おうと、それを上回る速度で動かれれば、突破出来ない。
「二人から三人に“領域”も増える。……これで、転移の制限も飽和するわ」
「………」
“領域”を主張する事で、イリスの力を弾く。
今までのように二人だけでは、転移が単発で使える程度しか抵抗出来ていなかった。
だが、帝が来た事で、連発とまでは行かないものの、転移が容易になった。
これで、足止めもよりやりやすくなる。
「ならば、倒すまで……!」
「やれるものなら……やってみろ!!」
無視する事は最早不可能と、イリスは断じる。
そうなると、次にやろうとするのは優奈達の打倒だ。
時間稼ぎを目的とする優奈達からすれば、そうなるだけで十分だった。
帝も加わった事で、戦況はより劣勢から覆していく。
「た、倒した……?」
一方、司達は。
司による浄化の極光により、優輝は戦闘不能になっていた。
辛うじて立っているが、それも念入りにバインドで拘束した結果だ。
抵抗らしい抵抗もなくなっていた。
「……でも、洗脳は解けていなさそうね」
椿の呟きに、解きかけていた警戒態勢を整える。
そう。未だに司達に向ける優輝の目は、冷たいままだ。
「それどころか、再び“闇”が湧きだしているよ」
「優奈の言った通り、外部からは解く事が出来ないって訳ね……」
緋雪が破壊し、司が浄化した。
それでも洗脳の原因たる“闇”は残っており、さらには未だに湧き出していた。
「“瞳”も小さくなってる……でも」
―――“破綻せよ、理よ”
緋雪が“瞳”を握り潰す。
しかし、“闇”は消え去らない。
「……核は、イリスが握ってると見るべきかな」
「なるほど。司が世界そのものの“領域”と接続したように、イリスも優輝と繋がりを持つ事で、洗脳を維持している訳ね。……本当、用意周到ね」
「じゃあ、どうすれば……」
司が困ったように呟く。
すると、何を思ったのか優香と光輝、そして緋雪が優輝
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