暁 〜小説投稿サイト〜
英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第三部〜薔薇色の黄金軍馬〜 第89話
[1/13]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
2月5日―――

〜エリンの里・ロゼのアトリエ〜

「ん………」
黒の工房の本拠地襲撃作戦から二日後、ベッドで眠っていたセドリックは目を覚ました。
「ここは………?そうか………ここはエマさん達の故郷……あの後、兄上達と共にエマさんの故郷に戻って……その後僕は疲れで意識を……」
目を覚ましたセドリックは周囲を見回し、自分が目覚める前の出来事を思い返した。
「……目を覚ましたようだな、セドリック。」
その時セドリックが眠っているベッドの傍で読書をしていたクルトが読んでいた本を懐にしまって、セドリックに話しかけた。
「クルト……僕達がここに来て、あれからどのくらい経っているんだ?」
「二日だ。」
「ええっ!?それじゃあ丸一日、僕は眠っていたのかい!?」
クルトの話を聞いて自分が丸一日眠っていた事にセドリックは驚きの声を上げた。

「ああ……だが、無理もない。ここに来るまでのセドリックの状況を考えると、むしろ丸一日程度で済んだ事の方が”奇蹟”のようなものだろう。ただでさえ、セドリックは内戦での件で衰弱して入院していたのに、今ではそんな様子は見られないのだからな。………もしかしてセドリックの急激な回復は”黄昏”の件が関係しているのか?」
「うん………それよりもクルト、兄上や他の皆さんは今どこに――――――」
複雑そうな表情で確認してきたクルトの推測にセドリックが静かな表情で頷いて話を変えようとしたその時、扉が開き、オリヴァルト皇子、ミュラー、アルフィン、オリエが部屋に入ってきた。
「セドリック………よかった…………目を覚まして……!里に着いた後すぐに倒れたという話を聞いた時は本当に心配したわ……」
「アルフィン………アハハ、内戦に続いてまた心配をかけてしまったね……兄上も今回の件といい、何度も僕の為に迷惑をかけてしまってすみません。」
安堵の表情のアルフィンに話しかけられたセドリックは苦笑した後オリヴァルト皇子に話しかけ
「ふっ、他ならぬ可愛い弟の為なのだから、別に迷惑でもないさ。それに弟は兄に迷惑をかけて当然なんだから、君が気にする必要はないよ。」
「そうだな……普段人に迷惑をかけまくっている貴様の場合はむしろ、皇太子殿下に限らず、多くの人々の為に労力を割くのは当然だな。」
セドリックの言葉に対して静かな笑みを浮かべて答えたオリヴァルト皇子にミュラーは指摘した。

「ミュラー君、ヒドイ!こういう時はお世辞でもいいから、『普段から行いがいいオリビエがそこまでする必要はない』くらいは言ってもバチが当たらないんじゃないかい?」
「何故お前の為にわざわざお世話を言ってやる必要がある。――――――というか、そもそも”空の女神”自身に会った事もあるお前ならば、”空の女神”もそうだが”空の女神”の血族であるエステル君の場
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ