第三部〜薔薇色の黄金軍馬〜 第89話
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が殿下達に協力するからこそ、黒の工房に囚われたセドリックの救出協力もそうですが皇帝陛下達の処遇を穏便な内容にするという”約束”もあって自分達は殿下や少将閣下達に協力し、その結果約束通り貴国は”黒の工房”に囚われていたセドリックの救出に貴国の貴重な戦力を割いて頂けたお陰でセドリックを無事に救出できたのですから、その恩に報いる為にも母もそうですが自分もこの戦争の最後までリィン少将閣下達と共に剣を振るう所存です。」
「オリエさん……クルトさん……」
「……………………」
オリエとクルトの答えを聞いたアルフィンとミュラーはそれぞれ複雑そうな表情を浮かべ
「”アルノール家の守護職”の役目を解かれてもなお、エレボニアを――――――世界を今の状況に陥らせた私達愚かなアルノール家の為を思って行動してくれている貴女達の気持ちはとてもありがたいが………ミュラー達と違って直接守護するアルノール家の人物がいなかったオリエさんはともかく、セドリックの守護を担当してくれていたクルトは本当にそれでいいのかい?」
オリヴァルト皇子は静かな表情でクルトに問いかけた。
「はい。……それに不謹慎ではあると思われるのですが、この戦争でリィン少将閣下達と共に剣を振るう事で僕自身も今までとは比べ物にならないくらい成長していると自覚しているんです……どのような理由があろうとも、一度はセドリックの――――――皇帝陛下の後を継がれる方の守護を離れた者が再びその立場を手にする為には、周りの者達を納得させる為の”相応の実力”が必要かと思われます。そしてその”相応の実力”をつける為にも、リィン少将閣下達と共に剣を振るいたいのです。」
「クルト………」
「まあ、今のリィンお兄さんの周りには”アルゼイド流”の皆伝者もそうだけど、遥か昔に廃れたはずの”ヴァンダール流槍術”の皆伝者もいるし、リィンお兄さん自身も”八葉一刀流”として相当な使い手の上エリゼお姉さんは”八葉一刀流”の皆伝者、そして他にも相当な使い手揃いと訓練相手に事欠かない上”互いの命を奪い合う本物の戦場”という”経験”を得る事で、クルトお兄さんが”様々な意味”で飛躍的に成長する事は確実でしょうね。」
「つまりは自分自身の武者修行の為にもあえてメンフィル軍に協力するって事ね……ま、貴方の気持ち、あたしもわからなくもないわ。」
「実際、ペテレーネさんと親しいシェラ先輩もペテレーネさんを通じてファーミシルス大将軍閣下を始めとしたメンフィルの上層部クラスに訓練相手を務めてもらった事で実力も上がっていますものねぇ。」
クルトの話を聞いたセドリックは静かな表情でクルトを見つめ、小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンの話を聞いたシェラザードとアネラスは苦笑していた。
「――――――そういう訳ですまない、セドリック。肝心な時にセドリックを守れな
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