第三部〜薔薇色の黄金軍馬〜 第89話
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”記憶”で識ったのでしょう?――――――黒の工房の本拠地での合流時に語った幼いリィンがユミルの雪山に捨てられる経緯の件のように。」
「……はい。」
「それは………」
幽閉されていたセドリックが自分やリィン達の件を知っている事に困惑しているアルフィンにセリーヌがセドリックに確認し、セリーヌの確認にセドリックが頷いた後ガイウスは真剣な表情を浮かべた。
「そういえば……セレーネやエリゼさん達は見当たらないけど、どうしてかしら?」
「それにクロスベルの連中――――――”特務支援課”だったか?連中も見かけねぇのも気になっていたな。」
その時ある事が気になっていたアリサとアッシュはリィンに訊ねた。
「セレーネ達には先にレヴォリューションに戻ってもらっている。元々皇太子殿下が目覚めるか3日経っても目覚めなかった場合、エリン(ここ)を発つ予定になっていたからな。それとロイド達は昨日の朝にメンフィルが用意した別の飛行艇でクロスベルに帰還している。」
「という事はお前達は、すぐにここを発つつもりなのか……」
「ったく、あんたの話通りならまだ二日もここに留まれたって話なのに、皇太子殿下が目覚めた途端さっさと去るとか、そんなに今の状況であたし達と話すのを嫌なのかしら?皇太子殿下が目覚めるまでの間も”軍務があるという理由”を盾にしてレヴォリューションに引きこもって、明らかにあたし達との接触を避けるような事をしていたようだし。」
リィンの答えを聞いたユーシスは重々しい様子を纏って呟き、サラは厳しい表情でリィンに指摘し
「別にサラ教官達を意図的に避ける為にレヴォリューションに滞在し続けていた訳でもなく、本当に軍務があって昨日は忙しくてこの里に出るような時間も取れなかったんですが……」
「その件についてはリィンさんは嘘等はついていません。リィンさんは”灰獅子隊”――――――メンフィル軍の遊撃隊の”軍団長”ですから、当然連合の”本陣”の上層部達との通信映像によるブリーフィングに参加しなければならなかった上、そのブリーフィングの内容で”灰獅子隊”はどう動くべきか等を”灰獅子隊”内の部隊長クラスを交えての話し合いのブリーフィングもありましたから、それら全てが終わったのは昨日の夜でしたから、本当にリィンさんは昨日は軍務の関係で多忙だったんです。」
「その証拠に”灰獅子隊”の部隊長クラスである”黒獅子の学級(ルーヴェン・クラッセ)”出身の人達は当然として、レンやプリネお姉様、それにデュバリィお姉さんも昨日は里に姿を現していないでしょう?」
「ふふっ、勿論そのブリーフィングには新生軍の”総主宰”である私も参加していましたから、当然私も昨日はリィン少将閣下達同様レヴォリューションから外に出るような余裕はありませんでしたわ。」
「言われてみればリィン君に限らず、”
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