第三部〜薔薇色の黄金軍馬〜 第89話
[12/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ュバルツァー家での生活で、男爵閣下とは兄弟のように育った仲だったそうだ。」
「ええっ!?男爵閣下とオズボーン宰相が!?」
「まさかシュバルツァー男爵とオズボーン宰相にそのような関係があったなんて……」
「……………………」
オリヴァルト皇子が語った驚愕の事実にその場にいる多くの者達が血相を変えている中エマは思わず驚きの声を上げ、プリネは信じられない表情をし、リィンは真剣な表情で黙り込んでいた。
「そして宰相殿が17歳でトールズに入学した際に宰相殿はユミルに別れを告げて……卒業後は正規軍入りして目覚ましい働きを見せて昇進し続けた。当然、当時の貴族派にも目をつけられた事で宰相殿もそうだが男爵閣下もお互いの関係を大っぴらにできなくなったそうだが……男爵閣下が爵位を継いでからも宰相殿とユミルの交流は続いていたとの事だ。……”13年前まではね。”」
「”13年前まで”…………――――――まさか!?」
「……もしかして”百日戦役”も関係しているの?」
オリヴァルト皇子の説明を聞いて察しがついたサラは血相を変え、フィーは真剣な表情で訊ねた。
「いや……男爵閣下の話ではそこまではわからなかった。話を続けるが、宰相殿が久しぶりに男爵閣下に連絡を取った際にこう告げたとの事だ。『ある子供を引き取って欲しい。そして私との一切の関係を忘れ、その子にも告げないでもらいたい。』、と。」
「そして宰相の頼みを即座に承諾した男爵閣下は雪の中、宰相が指定した場所へと馬を駆り……そこから先はここにいる皆も知っての流れだ。」
「……なるほどね。貴方達から聞いた”灰色の騎士”の複雑な背景にはあたし達も気になっていたけど……まさか、鉄血宰相とシュバルツァー男爵が旧知の仲で、鉄血宰相に頼まれて彼を引き取っていたとはね。」
「”雪山に捨てられた幼子が凍死したり、魔獣に襲われて死亡する前に領主に拾われるなんて偶然”はあまりにも”出来過ぎている話”だと思っていたが……最初から、シュバルツァーを雪山に捨てる前に示し合わせていたのか。」
「もしかしたらお祖父ちゃんも男爵閣下からリィン君の事についてある程度聞いていたかもしれませんね……」
オリヴァルト皇子とミュラーの話を聞いたその場にいる多くの者達がそれぞれ驚きのあまり黙り込んでいる中シェラザードとアガットは静かな表情で呟き、アネラスは複雑そうな表情で呟いた。
「うふふ、だけどそこでオズボーン宰相にとっての想定外――――――”メンフィル帝国の登場”によって、リィン少将を預けたユミルがメンフィルに占領され、そしてメンフィルに帰属した事で様々な想定外が発生したという事ね。」
「そうね…………自身にとって大切な子息をそのような回りくどい手を使ってまでシュバルツァー家に引き取らせたオズボー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ