暁 〜小説投稿サイト〜
提督はBarにいる。
提督と早霜のこっそり賄いメシ・1
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「ごちそうさま〜」

「毎度」

「ありがとうございました」

 時刻はもうすぐ午前0時。ウチの店『Bar Admiral』としては客が途切れがちな時間帯だ。ウチの鎮守府は定時上がりで、遠征などで外に出ている奴や夜間の見廻りがメインの警備班の面々を除いて17時には業務終了が基本。そこから30分ほどで準備を整えて店を開ける。仕事終わりに一杯、からガッツリ飲む奴まで様々いるが、総員起こしの時間に備えて0時は跨がない様に切り上げる奴が殆どだ。そして午前1時を回ってくると深夜着の遠征帰りの奴等が夜食や寝酒を求めてやって来る。なので午前0時を回った辺りからの空白の1時間ってのは貴重な休憩時間だったりする。

「ふぅ……漸く一段落ってトコだな」

「そうですね、この時間はお客様もいませんし」

 居ない事は無いのだが、カウンターの端の席で酔い潰れてすぅすぅと寝息を立てている。アレはまぁカウントしなくてもいいだろう。さて、後半戦のお通しはどうするか……と思案を始めた所で隣からくうぅ……と可愛らしい腹の鳴る音が聞こえる。そっちを向くと、かあぁっと顔を赤くした早霜がわたわたと慌てていた。

「いや、店長、違うんです、これは……!」

「照れなくてもいいだろ?別に。俺らも休憩にすっか」

 早霜は勤勉な奴だ。本当は朝から姉妹達と同じタイムスケジュールで動くべき所を、店の助手を務めている為に基本夜勤扱いなんだ。だから総員起こしのタイミングで就寝し、昼飯のタイミングで起床。昼飯を朝飯替わりに摂り、午後は軽く業務や訓練に勤しむ。そうして時間が来たら朝まで店の助手として働く。ぶっちゃけ、駆逐艦の中ではトップクラスに忙しい人物だろう。一応、開店前に俺が準備しておく軽食を食わしてはいるんだが、時間感覚的に昼飯を朝飯とするならば今がちょうど晩飯時って所だろう。

「さ〜て、今日は何が余ってたかな……と」

 こういう手空きの時間で作る賄いは、チャチャっと短時間で簡単に作れて尚且つ美味いというのが理想的だ。後は食材を無駄にしないために、余り気味の食材を使うとかな。

「お、ホウレン草に……豚バラか」

 こいつで炒め物といこう。

《3分で出来る!?ホウレン草と豚バラの炒め物》※分量2人前

・ホウレン草:300g

・豚バラ:200g

・にんにく:1片(チューブでもOK)

・しょうが:1片(こちらもチューブでOK)

・ごま油:大さじ1強

・塩:ひとつまみ

・醤油:小さじ2

・みりん:小さじ1


 さて、作っていくぞ。まずは材料の下拵え。にんにくは皮を剥いて包丁の腹を使って潰し、芽を取り除いておく。しょうがら千切りに、豚バラは食べやすい大きさに切り、ホウレン草は食べやすい大きさにちぎって
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