第42話「鋼の腕の伴奏者」
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つける薬がないな」
「それはお互い様デスよ」
クリスは切歌と手を繋ぎ、
「じゃあ、あたしは翼とだな」
「うん……なんだか懐かしいね、奏」
奏は翼と。
「調ちゃんッ! 切歌ちゃんッ!」
そして調と切歌の二人と手を繋ぐ響。
装者達の心が今、一つに重なる。
「あなたのやってる事、偽善でないと信じたい……だから近くでわたしに見せて……あなたの言う、人助けを……わたしたちに」
「……うん」
「繋いだ手だけが紡ぐもの……」
今、ここに集う歌の力を全身で感じるマリア。
心を繋いだその瞬間、装者達の身体がまぶしい輝きを放つ。
だが、ネフィリムも負けじと全身から赤き釈明を砲撃と放つ。
火球と比べて爆発こそしないものの、その威力は凄まじく、装者達のギアは徐々に砕け始める。
そこへ、残る幼体が吐き出す火球や電撃球、毒球が加わり、ダメージが蓄積されていく。
「くうううう……ッ!」
「「うう、ううう……ッ!」」
「「ぐう……ッ!」」
「「ぐうううう……ッ!」」
踏ん張る9人。アームドギアも崩壊を始め、伴装者達も装者と手を繋ぐ。
純は切歌と。翔は奏と。
そして響は、繋ぐその手に歌を束ねていく。
「9人じゃない……私が束ねるこの歌は──ッ! 70億の、絶唱おおおおおおぉぉぉぉぉぉッ!!」
響が束ねたフォニックゲインが装者達を包み込む。
そして、エネルギーフィールドが消えた次の瞬間、九色の星が天へと昇った。
光が弾け、中から姿を現したのは……輝く翼を広げた純白のシンフォギア──エクスドライブモードに身を包んだ7人の装者と、2人の伴装者だった。
「響き合う、みんなの歌声がくれた──」
『シンフォギアでえええええぇぇぇぇぇぇッ!!』
軌跡を纏いし7人の戦姫と、希望を鎧った2人の奏者。
巨大な一つの矢へと重なった9人が、ネフィリムの巨体を貫く。
七色に輝くエネルギーが竜巻となって、ネフィリム達を残らず包み込み、空の彼方へと消えていった。
共喰いの巨人は、歌を信じた少年少女の前に、遂に斃れたのだ。
ff
「なんだと……」
ネフィリムが倒れた瞬間を目の当たりにし、よろよろと立ち上がろうとしていたウェルは間の抜けた声を上げる。
「ほれ見ろ……自慢の大怪獣も倒れたぜ……」
膝を付いたツェルトが笑う。
更にそこへ、防衛機兵の包囲網を突破してきた弦十郎と緒川までもが姿を現した。まさに泣きっ面に蜂だ。
「ウェル博士ッ! お前の手に世界は大き過ぎたようだなッ!」
「──ッ!」
ウェルは悪足掻きを試みようと、コンソールへと手を伸ばす。
「させませんッ!」
間髪入れずに放たれる弾丸。緒川の撃った弾は
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