第20話 思わぬ奥の手:前編
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のはシスター・ミヤコって事になるわね」
そして、泉美も士郎の指摘に賛同する事となるのであった。そして、続いて千影が言う。
「つまり、次に攻めてくるのは、どうしても敵の頭になるって事よね?」
「そう、もう彼女にはそう手を打つしかないでしょうからね」
千影の弁にも、泉美は同意する所であった。そう、今はもう戦いは佳境に入っているという事なのだ。
「でも、何だか実感が沸かないね」
そう言うのは姫子であった。彼女が言うのも無理はない事だろう。戦いはあと一歩の所まで来ているのに、自分達は今こうして『いつも通りに』学校の屋上での憩いの一時を過ごすに至っているからだ。
それに答えるのも泉美であった。
「それが、私達がしてやる事だと思うわ。私達は現実を生きたいの、それを神の領域の者達に脅かす権利などないわ」
その泉美の言を一同はしかとその耳に通した後、それを代表するように姫子が言うのであった。
「さすがは泉美ちゃんだね。そういう事を言えるからこそ、リーダーが務まるというものなんだろうね」
「リーダーね……あはは」
育った環境により自分に自信を持ちきれない泉美は、やはりその言葉はこそばゆくてうずうずしてしまう感じがあるのであった。
◇ ◇ ◇
そして、穂村宮高校での授業は終わり、生徒達は部活動や帰宅というように、それぞれが思い思いのままに行動を開始するのであった。
そんな中、例の四人は千影・姫子と泉美・士郎の二つに分かれようとしていたのであった。
「それじゃあね、泉美ちゃん、士郎君」
「お二人とも、また明日ね」
そう姫子と千影は二人で言うと、もう二人へと向き合った後にその場を後にしようとするのだったが。
ここで千影から泉美に声が掛かったのであった。
「ありがとう泉美。最近は姫子と二人っきりという時間が出来ていなかったからね」
「お安いご用よ」
そう、千影は同性でありながら姫子への想いを抱いている心は今も健在なのであった。その事に対して今回泉美は応えてあげたという事なのだ。
そんな泉美に感謝しつつ、千影は想い人の姫子と手を取り合ってこの場を後にするのであった。
そして、そんな二人を見送った泉美は、さてとといった風に士郎に向き合う。
「それじゃあ、私達も帰りましょう」
「そうだな」
その言葉に士郎も同意すると、残りの二人も帰路へと着くのであった。
◇ ◇ ◇
「それで、どうだった? 初めての神機楼戦は?」
泉美と士郎の二人による帰路の最中、そこで二人は話に華を咲かせていたのである。
今回この二人だけという組み合わせは初めてとなる訳であり、その機会を利用して泉美は士郎と親睦を計っておこうという狙いがあったのだ。
その試みは功を奏し、二人は実にスムーズに話をしている所なので
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