第19話 合流
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した。けど、自分の描きたい物からどんどんかけ離れていくのを感じていたわ……」
そこまで聞いて、姫子はそこで勘が働くのであった。いや、少々この展開に慣れたと言った方がいいかも知れないが。
「そこで、シスター・ミヤコさんの出番って事ですよね」
「あ〜、話が早くて助かるわ。そう、彼女が私の目の前に現れてこう言ったのよ。『自分の創りたい物を創れない、この世界なんか壊してしまいなさい』とね」
「それで、その言葉を馬鹿げていると思いつつも、彼女の魔力に当てられて逆らう事が出来なかった……って事ですね」
「ええ、面目ないです」
まさに自分の職である漫画のような展開で申し訳ないと思いつつも、レーコはそれに抗う事が出来なかったと赤裸々に語るのであった。
だが、こうして今彼女はその力から解放されたのである。だから姫子はこう彼女に言う。
「大邪の力から解放された事だし、また漫画を描き始めるのがいいんじゃないんですか? 私はレーコ先生が思うままに描く作品を応援しますから♪」
そう言うと、姫子は屈託のない満面の笑みをレーコに向けてみせるのであった。
「ありがとう姫子さん。ファンの中にはあなたのような人もいる事を忘れないでまた頑張るわ」
そんな姫子の姿勢に背中を押される形で、レーコは人知れずこの騒乱が起きた場から去っていったのだった。
◇ ◇ ◇
これにて、大邪衆の『同時分断作戦』を見事に迎え撃ち、打ち破った千影・泉美ペアと姫子・士郎ペアであった。
そして、それぞれが事を成し得た後日に、そのそれぞれの展開を報告しあうべく大神家へと集っていたのである。
「どうやら、全てうまくいったみたいですね」
そう口にするのは、今回の戦力を分ける作戦を思いついた泉美自身なのであった。その言葉に姫子は賛同する。
「うん、泉美ちゃんの読み通りにうまくいったよ。『ウォーターガン』も見事なくらいに役に立ったよ♪」
「それは何よりね」
こうして労ってくれる者がいるだけで、自分が知恵を出した甲斐があったものだと、泉美も気持ちが晴れる感覚となるのであった。
だが、そんな泉美であっても、姫子の次の言葉は予想だにしないものであったのだ。
「もういっその事、泉美ちゃんが私達のリーダーって事でいいんじゃない?」
その瞬間、時が止まり、そして再び流れる。
「えっ!? ちょっと! 私がリーダーって!?」
それは些か話が飛びすぎているのではないかと、泉美は姫子に抗議するのであった。
明らかに、自分には荷が重い役職だったからだ。嫉妬深くて粘着質な性格の自分がリーダーに相応しいはずがないだろうと彼女は心の叫びを上げる所であった。
だが、更にこの話を加速させる者がいたのであった。そう、彼女と同行していた千影自身からであったのだ。
「私からもそれに
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