第17話 白陽の騎士と創造の神:前編
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蒼月の巫女さん?」
「そういう事だね」
そう、姫子は既に敵の出方というものを読んでいる状態なのだ。そんな彼女に偽者による攻撃を仕掛け続けてもジリ貧になるだけというものであった。
つまり、敵は自らが姿を現すという選択肢しか残されてはいなかったのである。
それは、敵が追い詰められたと取っていい事であろう。そのような状況であるにも関わらずに、落ち着いた様子で敵は現れるのであった。
その姿は黒が基調で特徴的な帽子という、このイメージが強く広まった『学者』の姿……それを鋼の巨体で再現した様なものなのであった。
その神機楼の名前を含めた情報を、敵の口から語られる。
「この子の名前は『ヤゴコロノトウロ』。そして、私は大邪衆六の首の……」
「『春日レーコ』先生ですよね?」
だが、その説明の最後を補足と言わんばかりに敵に言われてしまうのであった。当然大邪衆──レーコは出鼻を挫かれる形となったのである。
「どうしてそれを……」
当然その事実にレーコは訝るのであった。しかし、その情報源は今では大切な友達にして仲間の一人から聞いたものなので、おいそれと口を割る義理は姫子にはなかったのである。
なので、ここはおどけてしらばっくれておく事にしたのであった。
「それはね──『巨乳の勘』とでも言っておけばいいかな?」
暫し、時間が止まり。そして再び流れ出した。
「良くはないよね!? その理屈だと、貧乳の人は鈍感みたいな言い回しだから! 確かにそのでっかいのは敏感そうだけどね!?」
そうレーコは色々と反論したくなる気持ちを抑える事が出来なかったのだ。彼女もまた、どちらかというと『持たざる者』なので、彼女らの為に代表して怒りの矛先を目の前の持っている者へとぶつけなければならなかったのであった。
そのように、半ば冗談で言ったのに、割と相手は本気75%位で怒ってしまったので、これは失言だったと姫子は思い直す所である。
「今のごめんね。本気にしないでね」
なので、取り敢えず姫子は謝っておく事にしたのであった。相手がいくら破壊行為をする邪神の遣いとはいえ、こういう作法は人として重要なのだから。
「まあ、悪気があった訳じゃないしいいわ……ってそうじゃない!」
思わず敵も納得しそうになるが、本題はそこではないとレーコはかぶりを振るのであった。
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