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神機楼戦記オクトメディウム
第17話 白陽の騎士と創造の神:前編
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教えてくれるのだ。
「出でよ、剣神アメノムラクモ!」
 そう宣言すると、彼の眼前にも巫女達の時と同じように鋼の巨躯たる神機楼が出現するに至ったのであった。
 その姿は、シャープな創りに白が基調という幻想的な産物であるのであった。だが、先に出撃した姫子にはそのような説明よりも、もっとズバッと分かりやすくする言い回しというものがあるのであった。
「あ、まるで『フリーダム・ガンボーイ』だね♪」
「正式名称で言ってもダメだ〜!」
 思わず士郎は頭を抱えるのであった。日の出の名を冠する会社に目を付けられたら堪ったものではないと、彼も別次元な事を考えてしまうのだった。
 しかし、そんなやるせないスタートとなったものの、ここで出撃に支障が出てはどうしようもないだろう。故に彼は姫子達と同じように光となって剣神の胸部へと飛び込んでいったのである。
 そして、とうとう彼はそのコックピットないへと足を踏み入れた訳であるが、勿論初めての経験である。なので、当然彼には驚くべき光景だったのである。
 辺り一面が真っ暗闇で、その中にポツンと土俵のような物が存在するそれは、とてもこの世の産物とは思えない代物なのだから。
「……姫子さん、これは?」
「うん、やっぱり最初だと驚くよね。神機楼の内部ってのは?」
 そう言って姫子は戸惑う士郎を宥めるよう、諭すように優しく言葉を掛けるのであった。
「姫子さん……」
 そんな彼女の、初めての出陣となる士郎への配慮ある対応に、彼は嬉しくなるのであったが。
「でも、要は気の持ちようだよ。某魔神(ましん)を駆る英雄の子の場合だって、暗闇の中に龍を模したような操縦管を握っているって奇っ怪な経験をしてるんだから♪」
「……またそういう話する……」
 別次元の話題へと転じる事も忘れなかった姫子に、士郎は閉口するのであった。
 そんなしょうもないやり取りを暫ししていた二人であったが、ここで漸く意識を『敵』へと向ける。
 そこにいたのは、三分間しか地球で戦えないヒーローが相手にするような巨大怪獣然とした様相の存在であったのだ。それを見て士郎は呟く。
「……これが、敵の神機楼?」
「襲撃して来たんだから、多分そうだと思うよ」
「でも、士郎君が首を傾げるのももっともだよ」と姫子は付け加えていうのであった。
 何せ、今まで敵が繰り出してきた神機楼と、今暴れ回っている怪獣のイメージは大分掛け離れているからなのだ。
 確かに、猫の妖怪のたまの駆る神機楼は人型ではなく四足歩行の獣型であるというケースは存在した。
 だが、それでもその機体はれっきとした『機械』で造られた事が分かる代物であったのだ。
 しかし、今目の前にいる『怪獣』はそうは思えなかったのであった。
 それは、生身の生き物そのものであるのであった。機械特有の繋ぎ
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